セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研27:

リソトリプターでの破砕術が有効であった胃石の一例

演者 阿南 伴美(熊本市医師会 地域医療センター 内科)
共同演者 上田 城久朗(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 小畑 雅寛(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 藤江 里美(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 山之内 健伯(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 中原 和之(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 陣内 克紀(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 田村 文雄(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 清住 雄昭(熊本市医師会 地域医療センター 内科), 明石 隆吉(熊本市医師会 ヘルスケアセンター)
抄録 症例は69歳女性。2012年1月12日頃より心窩部痛を自覚するようになり近医を経て1月16日当科を受診した。翌日行った腹部超音波検査と上部消化管内視鏡検査で5-6cm大の胃石を認めた。腹部単純CTでは石灰化を伴わない胃石と考えられた。内視鏡的除去を希望されたため、1月18日、当センターに入院した。入院後、コカコーラ1500ml/日以上の飲用を開始した。その上で1月19日から26日にかけて内視鏡下に胃石の破砕・回収を計3回行った。最初の2回はスネアーを使用して破砕したが、胃石の中央部は固く、スネアーのみでは破砕困難であった。3回目には2チャンネルスコープを用いて胆管結石の切石術に使用するリソトリプター(BML-3Q)で胃石を破砕し、大きさ1cm以上の結石片はすべて回収することができた。胃潰瘍の併発も見られたため、プロトンポンプ阻害剤の投与を行った。後日、施行した上部消化管内視鏡検査では潰瘍は瘢痕化し、胃石の再発は認めなかった。 本症例は、胃石の成分分析では成分特定ができなかったが、柿が好物で前年の秋期には1日2個程度の摂食歴があったため、柿胃石であると考えられた。比較的固く、大きな胃石であったが、コカコーラの飲用に加えリソトリプターを用いることで胃石を除去することができた。従来の方法で治療(除去)が困難な胃石に対しては有効な治療であると考えられるため文献的考察を加え報告する。
索引用語 胃石, リソトリプター