セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専50:

病院食により発症した成人発症II型高シトルリン血症の一例

演者 小野原 伸也(北九州市立医療センター内科)
共同演者 河野 聡(北九州市立医療センター内科), 重松 宏尚(北九州市立医療センター内科), 三木 幸一郎(北九州市立医療センター内科), 丸山 俊博(北九州市立医療センター内科), 下田 慎治(九州大学病態修復内科)
抄録 症例は70歳男性。入院11日目(左変形性膝関節症術後7日目)に発症した高アンモニア血症にて整形外科より紹介となる。過去に意識障害の病歴はなく、肝疾患の既往や家族歴もなかった。HBs抗原陰性、HCV抗体陰性であり、術前データからも肝硬変の所見は認めなかった。また、腹部エコー・腹部造影CTにて門脈大循環シャントも認めなかった。分岐鎖アミノ酸製剤の投与にも関わらず高アンモニア血症の改善がみられず、入院17日目(術後13日目)には血中アンモニア536μg/dLと著増しIV度の肝性昏睡をきたした。除外診断から成人発症II型高シトルリン血症の可能性を考えた。脳浮腫によるヘルニア徴候が見られたため、確定診断が得られないままマンニトール投与と持続血液濾過透析を開始し、同時にアルギニン製剤の点滴静注を行った。その結果、血中アンモニアは著減し、入院19日目(術後15日目)には意識障害の改善が得られた。さらに入院26日目(術後22日目)には血中アンモニアの正常化が得られた。後日の検査にて血中および尿中シトルリンの著増を認め、確定診断が得られた。本症例では、過去に意識障害の病歴は得られなかったが、詳細な問診により、白米や飲酒を避ける、豆類やマヨネーズを好むといった偏食があることが分かった。本症例では、従来の食習慣から逸脱したことで、病院食による糖負荷を契機に高アンモニア血症が生じたと考察した。その後の入院生活では、自宅での食習慣(脂肪によるカロリー約60%、豆類やマヨネーズの持参)を取り入れることにより血中アンモニアの再上昇は見られていない。過去に意識障害の病歴のない、まれな初発形式である成人発症II型高シトルリン血症の一例を経験したため報告する。
索引用語 高シトルリン血症, 肝性脳症