セッション情報 一般演題

タイトル 028:

RFA後血胸に対して外科的手術を必要としたHCCの2例

演者 岩尾 正雄(大分大学医学部附属病院)
共同演者 本田 浩一(大分大学医学部附属病院), 織部 淳哉(大分大学医学部附属病院), 正 宏樹(大分大学医学部附属病院), 西村 順子(大分大学医学部附属病院), 吉原 光江(大分大学医学部附属病院), 遠藤 美月(大分大学医学部附属病院), 清家 正隆(大分大学医学部附属病院), 高山 弘臣(大分大学医学部附属病院), 河野 洋平(大分大学医学部附属病院), 宮脇 美千代(大分大学医学部附属病院), 杉尾 賢二(大分大学医学部附属病院), 首藤 能弘(大分循環器病院), 高橋 祐幸(大分循環器病院), 森 哲(大分循環器病院)
抄録 【症例】症例1は77歳・男性で背景肝はC型慢性肝炎、症例2は77歳・男性で背景肝はアルコール性肝硬変症であり、いずれも造影CTでHCCが認められたため、腹部血管造影を施行された。症例1はS7の20mm大の病変を最大として、S1・3・5・7・8に計5か所のHCCが認められ、症例2はS8腹側と背側に2か所・S4に1か所のHCCが認められた。症例1ではS3・5・7・8の4病変に対して、症例2ではS8腹側の病変に対してRFAを施行後、いずれも咳嗽・呼吸困難などの呼吸器症状と、貧血の進行が認められ、造影CTで右血胸の診断であった。保存的加療で経過観察されていたが、発熱と呼吸器症状の増悪を認めるため、最終的には開胸下で胸腔内洗浄・血餅除去術を施行された。術後は呼吸器症状は改善を認め、経過良好で推移して退院となった。また、症例2では血胸が改善後にS8背側の病変に対してRFAを施行されたが、術後に血胸は認められなかった。【考察】RFAの合併症としての血胸は、頻度としては低いが、ある一定の確率で起こり得る。当院および関連施設で平成9年度から平成23年度までに施行されたRFAの4256セッションにおいて、現時点で5例のRFA後血胸を認めており、0.001%程度の確率と考えられる。保存的加療で軽快した症例も存在するが、今回の2症例は外科的手術まで必要とした。経過が長期となるほど、血液が凝固して自然消失する可能性は低くなり、無気肺や膿胸の危険性も高くなるため、発症早期に胸腔ドレナージでの加療が望ましいと考えられた。【結語】RFAの合併症としての血胸では、無気肺や膿胸などの二次的な合併症の発症や、外科的手術が必要となる状態まで増悪することを防ぐため、発症早期に胸腔ドレナージでの加療を行うことが望ましいと考えられた。
索引用語 肝細胞癌, RFA後血胸