セッション情報 シンポジウム「消化器疾患における新規治療法」

タイトル S2-02:

高齢者におけるペグインターフェロン+リバビリン+テラプレビル3剤併用療法の効果、安全性に関する検討

演者 本田 浩一(大分大学医学部総合内科学第一講座)
共同演者 岩尾 正雄(大分大学医学部総合内科学第一講座), 正 宏樹(大分大学医学部総合内科学第一講座), 所 征範(大分大学医学部総合内科学第一講座), 西村 順子(大分大学医学部総合内科学第一講座), 吉原 光江(大分大学医学部総合内科学第一講座), 遠藤 美月(大分大学医学部総合内科学第一講座), 織部 淳哉(大分大学医学部総合内科学第一講座), 清家 正隆(大分大学医学部総合内科学第一講座)
抄録 (目的)テラプレビル(TPV)併用療法により治療効果は大きく向上したが、高齢者における効果、安全性に関しては不明な点が多い。今回、当院で導入した症例について解析し検討を行なった。(方法)2012年1月より3剤併用療法を導入した18症例を対象とした。男性7名、女性11名、平均年齢64.5±9.7歳 (60歳未満8名、60-69歳3名、70歳以上7名)、初回8名、再治療10名 (再燃8名、無効2名)、IL28b (rs8099917)TT13名、TG4名。TPV初回投与量は70歳未満では9名が1500mg、2名が2250mgで開始、70歳以上では全例1000mgで開始した。高齢者、非高齢者の早期治療効果、合併症について検討を行なった。(結果)HCV RNAの2週目陰性化率は43.8% (7/16)、4週目陰性化率は87.5% (14/16)であった。2週目陰性化率は年齢別では60歳未満28.6% (2/7), 60-69歳66.7% (2/3), 70歳以上50.0% (3/6), p=0.54であった。4週目陰性化率は60歳未満85.7% (6/7), 60-69歳100% (3/3), 70歳以上83.3% (5/6), p=1.0であった。TPV初回投与量別では2週目陰性化率:1000mg 50.0% (3/6), 1500mg 33.3% (3/9), 2250mg 100% (1/1), p=0.45、4週目陰性化率:1000mg 83.3% (5/6), 1500mg 88.9% (8/9), 2250mg 100% (1/1), p=1.00であった。腎機能に関しては1週後のeGFRが投与前より20%以上低下した症例は60歳未満62.5% (5/8), 60-69歳66.7% (2/3), 70歳以上28.6% (2/7), p=0.54、TPV1000mg 28.6% (2/7), 1500mg 66.7% (6/9), 2250mg 50.0% (1/2), p=0.46であった。尿酸値に関しては1週後の尿酸値が50%以上増加した症例は60歳未満50.0% (4/8), 60-69歳66.7% (2/3), 70歳以上42.9% (3/7), p=1.0、TPV1000mg 42.9% (3/7), 1500mg 55.6% (5/9), 2250mg 50.0% (1/2), p=1.0であった。中止例は4例で中止理由はIFN網膜症1例(52歳)、血小板数減少1例(74歳)、一過性脳虚血1例(81歳)、気管支肺炎1例(75歳)であったが全例早期に軽快した。(結語)高齢者においてはTPV減量投与が有用であると考えられたが、中止を要する合併症を発症する可能性があり厳重な管理が必要であると考えられた。
索引用語 テラプレビル, 高齢者