セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専62:

子宮頸部原発転移性膵腫瘍の1例

演者 西村 千紘(熊本大学医学部附属病院 消化器内科)
共同演者 階子  俊平(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 尾崎 徹(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 堤 英治(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 石貫 敬子(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 瀧川 有記子(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 本田 宗倫(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 持永 崇惠(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 本原 利彦(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 野田 香菜(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 岡本 有紀子(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 奥田 彩子(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 鴻江 勇和(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 庄野 孝(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 直江 秀昭(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 桜井 宏一(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 田中 基彦(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 佐々木 裕(熊本大学医学部附属病院 消化器内科)
抄録 症例は40代、女性。2004年に子宮頸部腫瘍に対し広汎子宮全摘術が施行され、神経内分泌癌(NEC)(Synaptophysin陽性, Chromogranin A陽性、MIB-1 Index 30%以下)と診断された。明らかな遠隔転移は認めなかったが、術後放射線療法、化学療法を施行された。その後肺結節が出現し、2008年2月、2011年7月に胸腔鏡下肺切除術を施行されたが、病理学的にはTTF-1陰性で、子宮頸部NECの転移で矛盾しない所見であった。その後は無治療で明らかな再発なく経過していたが、2012年4月のPET検査にて膵体尾部にびまん性の異常集積を認め、精査目的に当科紹介となった。自覚症状として背部痛を認めたが、採血では腫瘍マーカー、ホルモン検査を含め明らかな異常値は認めなかった。画像検査では、膵頭体移行部に20mm程度の類円形の造影効果を伴う腫瘤と、尾側膵管の拡張が認められた。膵管造影では膵頭体移行部に柔らかい狭窄と、尾側膵管の軽度拡張を認めた。一方、狭窄部ブラシ細胞診、膵液細胞診では悪性細胞は認めなかった。そこでEUS-FNAを行ったところ神経内分泌腫瘍を疑う結果であり、臨床経過も加味して、子宮頸部NECの膵転移と診断し、PET集積部は閉塞性膵炎と判断した。その他の部位には明らかな転移性病変は認めず、十分なICの上、7月に膵中央切除術を施行した。病理結果はNEC(MIB-1 Index 30%以上)で、子宮からの転移として矛盾しない所見であった。転移性膵腫瘍は膵腫瘍全体の2-4%と報告され、中でも腎臓からの転移の報告が多い。今回、転移性膵腫瘍のなかでも非常にまれである子宮頚部原発NEC術後膵転移の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 転移性膵腫瘍, 子宮