セッション情報 | シンポジウム「消化器疾患における新規治療法」 |
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タイトル | S2-03:C型慢性肝炎へのペグインターフェロン(PEG-IFN)α2b・リバビリン(RBV)・テラプレビル(TVR)3剤併用療法の効果と副作用:九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS) |
演者 | 古庄 憲浩(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)) |
共同演者 | 野村 秀幸(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 小川 栄一(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 梶原 英二(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 中牟田 誠(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 道免 和文(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 高橋 和弘(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 佐藤 丈顕(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 田邉 雄一(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 古藤 和浩(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 東 晃一(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 下田 慎治(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)), 林 純(九州大学関連肝疾患研究会 (KULDS)) |
抄録 | 【目的】C型慢性肝炎治療として2011年年末から保険収載となった、TVRはC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須のnon-structural protein 3-4Aセリンプロテアーゼを選択的に阻害する。C型慢性肝炎への抗ウイルス療法効果は治療早期のウイルス排除が大きく関わる。今回、前向きにPEG-IFNα2b・RBV・TVRの3剤併用療法(PRT3)の早期の抗ウイルス効果および副作用について調査し、抗HCV効果に関与する因子を検討した。【方法】対象は、2011年12月より2012年2月までにPRT3剤併用療法を受けたC型慢性肝炎125例(平均58.8歳、男性58例、女性 67例)である。治療4週目までのウイルス動態(HCV RNA量TaqManPCR法)と宿主・背景因子との関連及び副作用を調査した。治療効果についてインターフェロン感受性遺伝子のIL28B遺伝子多型を検討した(IL28B TT 92例、TG/GG 33例)。貧血とRBVによる貧血関連遺伝子ITPA遺伝子多型の関連も検討した。【成績】3剤併用療法によるHCV RNA陰性化率は、2週目17.9%(前治療再燃例 21.2%、無効例 8.3%、初回治療例 16.1%)、3週目60.3%(65.2%、41.7%、60.0%)、4週目78.5%(85.4%、45.5%、80.0%)であった。多変量解析による治療3週目のHCV RNA陰性化因子は、治療開始3日後の治療前よりHCV RNA 3.89 log以上の低下(P=0.0325)、治療前血小板数 15万/μl以上(P=0.0147)、皮疹出現なし(P=0.0049)であった。さらに、多変量解析による治療3日後のHCV RNA 3.89 Log以上の低下因子は、IL28B TT(P=0.0208)、治療前血小板数 15万/μl以上(P=0.0397)であった。副作用の貧血については、多変量解析で、4週目のHb 3g/dl以上の低下は、ITPA CC(P=0.0053)と開始時TVR投与量 2250mg群(P=0.0367)であった。【結語】TVRを併用した3剤療法は高い抗HCV効果を示し、同治療効果については、治療3週目ウイルス排除に治療3日後のウイルス減衰量が寄与し、その減衰にはIL28Bと血小板数が関与した。 |
索引用語 | テラプレビル, C型慢性肝炎 |