セッション情報 一般演題

タイトル 046:

慢性偽性腸間閉塞症の治療経験

演者 長濱 正吉(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科)
共同演者 野里 栄治(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 東新川 美和(第一内科), 外間  昭(第一内科), 名嘉 勝男(西崎病院外科), 金城 達也(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 狩俣 弘幸(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 下地 英明(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 佐村 博範(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 白石 祐之(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科), 金城 福則(光学医療診療部), 西巻  正(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科)
抄録 【はじめに】慢性偽性腸管閉塞症は腸管に機械的閉塞を示唆する所見を有するが、腸液の流れを閉塞するような解剖学的異常が認められない疾患概念である。今回私たちは同疾患2例に対してそれぞれ腸切除と内視鏡的盲腸瘻(以下、PEC)を行った。2例ともに経過は良好でその経験を報告する。【症例1】30歳代,男性.主訴は便秘、腹部膨満感であった。既往歴に急性膵炎・白内障と右顎下腫瘍に対する手術がある。2005年頃から腹部膨満感と便秘を自覚し、近医にて慢性巨大結腸症と診断された。年に1回程度排ガスと排便が停止し、1週間程で自然軽快していた。2009年12月に当院第一内科紹介受診。諸検査で確診に至らず、その後もCFによる定期的な減圧を要したが、2010年10月以降はガス抜きの間隔が約1~2週間と短縮し、著しくQOLが低下した。外科的治療が考慮され12月に当科外来へ紹介となった。3度にわたって外科治療の内容を説明後、3月中旬に手術(腹腔鏡補助下大腸亜全摘・回腸直腸吻合)を施行した。術後1年6ヶ月症状の再燃は認めていない。【症例2】30歳代、男性。主訴は便秘、腹部膨満であった。20歳代に交通外傷による急性硬膜下血腫・硬膜外血腫を発症し、開頭血腫除去術で救命された。その後、遷延性意識障害が持続し寝たきりとなった。2010年初頭より腹部膨満感と便秘を発症、内服治療と2ヶ月に1回程度のCFによるガス抜きを行っていた。保存的治療で改善しないため十分ICをとり2012年8月上旬にPECを施行した。その後は腹部膨満と便秘は改善しCFによる処置は不要となった。【まとめ】2例の慢性偽性腸管閉塞症に腸切除と内視鏡的盲腸瘻を行った。1年余と短期間の観察期間であるが治療後経過は良好で慢性偽性腸管閉塞症にはPSを考慮した治療が重要であると思われた。
索引用語 慢性偽性腸管閉塞症, PEC