セッション情報 | ワークショップ「消化器疾患と生活習慣(病)」 |
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タイトル | W1-04:C型慢性肝炎の組織像におよぼす生活習慣病の影響について~modified N scoreを用いた線維化の予測~ |
演者 | 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 宮明 寿光(長崎大学病院消化器内科), 高原 郁子(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | 【背景と目的】我々は以前、NAFLDにおいて線維化進展を来す危険因子が2型糖尿病、高血圧であることを報告し、有意な線維化危険因子(女性、高齢者(60歳以上)、2型糖尿病の有無、高血圧の有無)の総和(N score)による高度線維化の予測の有用性について報告した(Liver Int 2008;28:519-24)。C型慢性肝炎では肝の脂肪化を来す症例が多く、疾患の進行や肝細胞癌発症にも影響するとされている。今回我々はC型慢性肝炎における組織像(脂肪化、炎症、線維化)と生活習慣病との関連を中心に臨床病理学的因子と宿主因子を比較検討した。また、有意な線維化進展の危険因子による線維化予測の可能性に関しても検討した。【対象と方法】当院で肝生検にてC型慢性肝炎と診断した166例を検討対象とした。肝生検標本を用いて線維化、炎症の評価を行い、また脂肪化の程度についても判定した。以上の項目及び生化学因子について、宿主側の代謝関連因子(肥満(BMI25以上)、糖尿病、高血圧、高脂血症)との関連を比較検討した。【結果】ALTは肥満群で非肥満群に比較して有意に高値であった。血小板は年齢、糖尿病、高血圧で有意差を認めた。肝の脂肪化は肥満、糖尿病、高血圧を有する群で有意に多かった。組織学的炎症においては高度炎症(A2-3)-軽度炎症群(A0-1)の2群間には有意差は認めなかった。線維化進行の有意な因子は、高齢、肥満、糖尿病、高血圧であった。糖尿病の有無に関してはその他の項目に比較して非常に強い有意差を認めた。そのためmodified N score(MN score)を「高齢(60歳以上)+2×(糖尿病の有無)+高血圧の有無」の和で算出し検討し検討した。MN score2以上では高度に線維化が進行する群(F3-4)が多く、MN scoreを用いた高度線維化の予測は感度50%、特異度91%であった。【考察】C型慢性肝炎において線維化の進行には肥満、糖尿病、高血圧が関連していた。線維化進展危険因子による線維化の予測はC型慢性肝炎についても有用であると考えられた。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, 線維化 |