セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研11:

テラプレビル+ペグインターフェロンα-2b+リバビリンの3剤併用療法中に間質性肺炎

演者 君付 優子(公立八女総合病院内科)
共同演者 永松 洋明(公立八女総合病院内科), 堤 翼(公立八女総合病院内科), 丸岡 浩人(公立八女総合病院内科), 平井 真吾(公立八女総合病院内科), 城野 智毅(公立八女総合病院内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院内科), 吉田 博(公立八女総合病院内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科)
抄録 【はじめに】インターフェロンに伴う間質性肺炎は稀ではあるが、発症すると重篤化することがあり注意すべきで合併症である。今回テラプレビル+ペグインターフェロンα-2b+リバビリン3剤併用療法治療中に発症した間質性肺炎の症例を経験したので報告する。【症例】61歳、男性。2011年3月よりC型慢性肝炎に対して当科で経過観察開始した。HCVはGenotype1b、HCV-RNA6.3 LogIU/mLと高ウィルス量、IL28B SNPs解析はマイナーホモ接合体であった。従来のペグインターフェロンα-2b+リバビリンでは効果が期待できないため、テラプレビルが承認された後、2012年1月よりテラプレビル( 2250mg )+ペグインターフェロンα-2b( 100μg )+リバビリン( 800mg ) 3剤併用療法を開始した。その後貧血の進行がみられ、リバビリンを減量しながら経過し、テラプレビルは予定量を投与し12週で終了した。重篤な皮膚炎などはみられず、HCVは12週終了後には陰性化を認めた。その後もリバビリンの調整を行いながら治療継続したが、20週目の5月20日頃から持続する発熱と咳が出現し、胸部レントゲンとCTにて両側の間質性肺炎と診断されたため21週目で治療中止とした。6月1日の血液検査ではLDH396 U/L、CRP1.47 mg/dLと上昇し、room airでPO2 75mmHg、O2-SAT 93%と低下していた 。ウイルス再燃の可能性がありステロイドは使用せず、入院のうえ呼吸器症状の観察をおこなった。インターフェロン、リバビリンの中止と抗ヒスタミン剤投与のみで症状は次第に軽減し、6月11日にはLDH234 U/L、CRP0.08 mg/dLと正常化、7月の胸部CTでは画像上も改善した。しかし、HCVは24週目には再燃を認めた。【まとめ】テラプレビルを加えた、3剤併用IFN療法は奏効率が70%と従来より高い効果が期待されているが、貧血などの副作用も危惧される。今回治療経過中に間質性肺炎を認めた症例を経験した。インターフェロン療法において間質性肺炎は0.2%と比較的稀な合併症であるが、注意を要する合併症と考えられたため報告した。
索引用語 インターフェロン, 間質性肺炎