セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専35:

S-1+CDDP療法によりQOL改善が得られた胃癌播種性骨髄癌症の一例

演者 溝口 聡(長崎大学大学院 腫瘍外科)
共同演者 高木 克典(長崎大学大学院 腫瘍外科), 國崎 真己(長崎大学大学院 腫瘍外科), 日高 重和(長崎大学大学院 腫瘍外科), 竹下 浩明(長崎大学大学院 腫瘍外科), 七島 篤志(長崎大学大学院 腫瘍外科), 安武 亨(長崎大学大学院 腫瘍外科), 澤井 照光(長崎大学大学院 腫瘍外科), 木下 直江(長崎大学病院 病理部), 林 徳眞吉(長崎大学病院 病理部), 永安 武(長崎大学大学院 腫瘍外科)
抄録 症例は74歳の男性.腰痛を主訴に近医受診し,血液検査にて貧血とALP高値を指摘された.上部消化管内視鏡検査で胃角部前壁に周堤を伴う潰瘍性病変を認め,生検にてGroup5(poorly differentiated adenocarcinoma)となり3型進行胃癌と診断された.血液検査ではALP 5173IU/lと著明な高値を認めており,ALP分画ではALP2+3分画が88%で肝型および骨型ALP分画の上昇パターンであった。腫瘍マーカーはCEA 12.1ng/mlと上昇していた。腹部造影CTでは胃角部前壁に造影効果を伴う壁肥厚に加え,大動脈周囲リンパ節を含む有意なリンパ節腫大を認めたが腹水貯留や他臓器転移は認めなかった.ALP上昇のため骨転移を疑い施行した骨シンチグラフィにて,体幹部の骨を主体として上腕骨や大腿骨近位部にびまん性に集積増加を認めた(super bone scan).骨髄生検で管腔形成を伴う異型細胞浸潤を認め,腺癌の転移の所見を認めたため播種性骨髄癌症を伴う進行胃癌,cT3(SS)N2M1 cStageIVと診断した.そのため,根治手術適応はなく化学療法を行う方針とした.S-1+CDDP療法による治療を開始したところ,ALP値の低下と腰痛消失によるQOLの改善を認めている.胃癌の骨転移は比較的頻度は低く,その中でも播種性骨髄癌症は稀な転移の一病型として報告されている.播種性骨髄癌症の予後は不良で,かつては平均2-3ヶ月とされている.近年はDICを呈している症例であっても積極的に化学療法を行うことで生存期間の延長が得られたという報告が散見される.本症例においてもS-1+CDDP療法を開始してQOLの改善を得られているため,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 胃癌, 播種性骨髄癌症