セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研70:続発性アミロイドーシスを合併した潰瘍性大腸炎の一例 |
演者 | 紀 愛美(宮崎大学医学部付属病院第一内科DELIMITER宮崎大学医学部付属病院卒後臨床研修センター) |
共同演者 | 三木 吾郎(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 仮屋 暢人(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 三宮 一朗(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 原口 大(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 星子 新理(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 松本 英丈(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 中島 孝治(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 芦塚 伸也(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 稲津 東彦(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 北村 和雄(宮崎大学医学部付属病院第一内科), 甲斐 健吾(宮崎大学医学部付属病院第一外科), 石崎 秀信(宮崎大学医学部付属病院第一外科), 鮫島 直樹(宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野), 浅田 祐士郎(宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野) |
抄録 | 【症例】55歳の女性。 【経過】2009年11月に全大腸型潰瘍性大腸炎(UC)を発症した。5-ASA製剤とステロイド内服にて加療されていたが、慢性持続型を呈していた。病勢悪化を認め、2010年6月、前医に入院となった。血球除去療法、ステロイド点滴静注療法、インフリキシマブ療法を施行されるも寛解導入できず、2011年6月に当院へ転院となった。当科入院時より食思不振を認め、上部消化管内視鏡(GS)で前庭部に粘膜の高度萎縮と大小不同の多発する発赤顆粒が混在していた。また十二指腸球部から下行脚に浮腫状の塑像粘膜を認めた。胃前庭部および、十二指腸からの生検で、粘膜固有層の間質および血管壁にHE染色で淡く好酸性に染色される沈着物を認め、免疫染色でAmyloid A陽性であった。血清アミロイドA蛋白(SAA)の上昇も認め(204 μg/mL)、潰瘍性大腸炎による続発性アミロイドーシスと診断した。難治性UCでもあったため、ステロイド漸減後、2011年11月に大腸全摘術を施行した。摘出大腸にもアミロイドの沈着が認められた。術後SAAは陰性化し、2012年7月のGSでは前庭部に経度の粘膜萎縮を残すのみとなり、十二指腸粘膜も正常化していた。また、両部の生検組織においてアミロイド沈着は認められなかった。 【考察】クローン病と比較し、潰瘍性大腸炎に合併した続発性アミロイドーシスの報告は非常に稀である。貴重な症例と考え、文献的考察もふまえ報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 続発性アミロイドーシス |