セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研78:

貧血を契機に小腸内視鏡検査で術前診断に至った小腸癌の一例

演者 宮本 昇太郎(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 坪内 直子(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 前田 仁美(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 田中 啓仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 那須 雄一郎(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【症例】50歳男性。2000年頃より時々右下腹部痛を自覚していた。2011年9月の定期検診でHb 10.3と貧血を認め、近医で上部及び下部消化管内視鏡検査を施行されたが、出血性病変は指摘されなかった。11月の腹部CTでも異常を指摘されず、鉄剤内服で経過観察されていた。その後も貧血の改善を認めなかったため、小腸出血が疑われ、2012年4月下旬に当科外来を受診した。カプセル内視鏡検査を施行し、上部空腸に約半周性の発赤調の隆起性病変を認め、小腸癌が疑われた。経口小腸造影検査では、上部空腸に径35mmの管腔の狭小化を伴う2型病変を認め、深達度はMP以深が疑われた。経口的ダブルバルーン内視鏡検査では同部位にほぼ全周性の周堤を伴う2型病変を認め、生検でtubular adenocarcinoma(tub1+tub2)であった。造影CT及びPET-CT検査では、空腸の腸管壁肥厚に一致する異常集積を認め、周囲腸間膜及び他臓器への浸潤所見や遠隔転移は認められなかった。以上より手術適応と考えられ、腹腔鏡補助下空腸部分切除術を施行した。Treitz靭帯から60cmの上部空腸に肉眼的にSEと考えられる病変を認め、切除した。術後の病理組織診断はT2N0M0、stageIIであったが、複数の静脈侵襲を認めた。若年で脈管侵襲を伴うことから術後補助化学療法の適応と考え、 7月下旬よりcapecitabine の投与を開始した。開始後大きな有害事象はなく、治療継続中である。【考察】本例は貧血を契機に、小腸内視鏡検査で小腸癌の術前診断が得られ、治療切除が可能であった。これまで小腸癌は予後不良とされていたが、小腸内視鏡の普及により、早期発見例も報告されるようになった。自験例と併せ、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 小腸癌, 小腸内視鏡