セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専25:重症潰瘍性大腸炎にニューモシスチス肺炎を合併した1例 |
演者 | 日高 梓(宮崎江南病院) |
共同演者 | 中野 みち子(古賀総合病院), 彦坂 ともみ(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 星子 新理(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 松本 英丈(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 芦塚 伸也(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 早稲田 文子(宮崎江南病院), 中島 孝治(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 稲津 東彦(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野), 北村 和雄(宮崎大学内科学講座循環体液制御学分野) |
抄録 | 症例は66歳,男性.1日40回の下痢が出現し入院となった.大腸内視鏡検査(CS),CT所見より全大腸型の重症潰瘍性大腸炎(UC)と診断し,ステロイド強力静注療法,白血球除去療法を開始した.C7HRPが陽性であり,サイトメガロウイルス感染合併と診断しガンシクロビルを併用した.その後,症状は寛解傾向を示したが,1か月後のCSでは深掘れ潰瘍が残存していた.難治性であり外科的治療の適応と考えられたが,患者が内科的治療の継続を希望したため,タクロリムス療法を開始した.しかし2週間後のCSでは十分な改善が得られず,再度手術適応と判断し手術待機中であった.入院2か月目頃より発熱,β-Dグルカンの上昇を認めた.胸部CTで多発スリガラス影を認め,気管支鏡検査にてニューモシスチス肺炎(PCP)と診断しST合剤を開始した.しかし,呼吸状態は悪化傾向を示し,ステロイドパルス等の集中治療を行ったが改善が得られず,入院79日目に死亡した. 近年UCの内科的治療としてステロイド療法に加え免疫抑制剤や生物学的製剤の使用頻度が増加している.一方,免疫力低下に伴う日和見感染症の合併の報告も散見されるようになった.今回我々は,重症UC治療中にPCPを発症した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, ニューモシスチス肺炎 |