セッション情報 一般演題

タイトル 170:

高CEA血症で発見された原発性虫垂癌の1例

演者 西田 良介(久留米大学病院医学部外科学講座)
共同演者 赤木 由人(久留米大学病院医学部外科学講座), 衣笠 哲史(久留米大学病院医学部外科学講座), 白土 一太郎(久留米大学病院医学部外科学講座), 岡 洋右(久留米大学病院医学部外科学講座), 白水 和雄(久留米大学病院医学部外科学講座)
抄録 高CEA血症で発見された原発性虫垂癌の1例久留米大学病院医学部外科学講座西田良介、赤木由人、衣笠哲史、白土一太郎、 岡洋右、白水和雄【はじめに】虫垂癌の頻度は、大腸癌において0.1%-0.2%と非常にまれな疾患である。今回、人間ドックで高CEA血症を呈し、精査にて虫垂癌を疑い、切除病理所見にて虫垂癌と診断された1例を経験したので報告する。【症例】43歳男性。生来健康で、毎年人間ドックを受けていた。2012年、人間ドックで腫瘍マーカー(CEA:204.4ng/ml)の上昇を認めたため、精査目的に当科紹介となった。【既往歴】特記事項なし。【生活歴】特記事項なし。【画像所見】X-P:特記事項なし。上部消化管内視鏡:特記事項なし。下部消化管内視鏡:虫垂入口部はSMT様の隆起認めるも、明らかな粘膜病変なし。CT:虫垂に周囲の脂肪織の毛羽立ちを伴う不整な腫瘤を認める.肝臓S2/3、S8に転移を疑わせる腫瘤を認める。PET-CT:虫垂先端付近に異常集積あり。(SUV max:8.93-14.05)、肝臓S2-3・S8に異常集積あり。(SUV max:5.74-9.38 5.21-8.60)以上より、虫垂癌・転移性肝癌の疑いで、治療的診断目的にて手術となった。【手術所見】腹水・腹膜播種は認めず。虫垂の先端は比較的明瞭であったが、中枢側は盲腸漿膜と後腹膜へ強固に癒着し、一塊となっていた。後腹膜を含めて剥離し、回盲部切除(D3郭清)施行した。【術後経過】経過は良好で、POD3より経口摂取開始し、POD13に自宅退院となった。【病理組織診断】2.5cm×2.3cm大の境界がやや不明瞭な、内部に一部壊死を伴う充実性の腫瘤を認めた。病理では、高-中分化型の腺癌であった。【方針】今後は、大腸癌に準じた化学療法を施行する予定である。【まとめ】非常にまれな原発性虫垂癌の1例を経験した。文献的考察を加え報告する。
索引用語 虫垂癌, 高CEA