セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 091:男性自己免疫性肝炎の治療中に発症した肝細胞癌の1例 |
演者 | 四本 かおる(福岡大学病院消化器内科) |
共同演者 | 岩田 郁(福岡大学病院消化器内科), 土屋 直壮(福岡大学病院消化器内科), 國本 英雄(福岡大学病院消化器内科), 櫻井 邦俊(福岡大学病院消化器内科), 田中 崇(福岡大学病院消化器内科), 平野 玄竜(福岡大学病院消化器内科), 森原 大輔(福岡大学病院消化器内科), 横山 圭二(福岡大学病院消化器内科), 西澤 新也(福岡大学病院消化器内科), 竹山 康章(福岡大学病院消化器内科), 入江 真(福岡大学病院消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学病院消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学病院消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学病院消化器内科) |
抄録 | 症例は79歳男性。1974年(42歳時)に急性肝障害(AST:446IU/L、ALT:620IU/L、T-bil:6.4mg/dL)にて当科初回入院した。薬剤性肝障害の診断にて薬剤中止および遷延する黄疸に対し副腎皮質ステロイドが投与された。その後、1985年、1989年にも急性肝炎を来したが、原因は不明であった。1994年(62歳時)に急性肝障害にて入院し各種精査(抗核抗体:80倍、IgG:2960 mg/dl、AST:206 IU/L、ALT:156 IU/L)と肝生検の結果、自己免疫性肝炎と診断され副腎皮質ステロイドが開始された。ステロイド投与にて速やかに肝障害は改善し、以後ステロイド漸減されプレドニン5mgの内服にてコントロール良好であった。尚、飲酒歴はなくHBc抗体は陽性であった。2010年より、トランスアミナーゼは安定していたが徐々にAFPの上昇を認めた。2011年9月にAFPは128.3ng/mlまで上昇した。腹部造影CT検査では異常を指摘できなかったが、EOB-MRI検査にて肝内両葉に乏血性腫瘍(一部血流あり)を複数認めた。血管造影検査を施行したところ、CTAPでdefect、CTAでenhanceされる直径10mmの腫瘍を左葉に2ヵ所認め肝細胞癌と診断し肝動脈化学塞栓術(TACE)を施行した。右葉の数カ所の乏血性腫瘍はCTAP、CTAともに描出されなかった。TACE直後に腫瘍生検を行い、高分化型肝細胞癌と診断された。また、非腫瘍部の生検で肝硬変の所見であった。 今回、男性の自己免疫性肝炎に発症した肝細胞癌の一例を経験した。男性の自己免疫性は比較的少なく、それに肝癌を併発した症例は極めて少なく、貴重な症例と考えられたので報告する。 |
索引用語 | 自己免疫性肝炎, 肝細胞癌 |