セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専82:

横行結腸癌による閉塞性腸炎の1例

演者 池田 浩子(済生会福岡総合病院 内科)
共同演者 向井 康二(済生会福岡総合病院 内科), 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 内科), 江崎 充(済生会福岡総合病院 内科), 富田 洋介(済生会福岡総合病院 内科), 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院 内科), 立花 雄一(済生会福岡総合病院 内科), 明石 哲郎(済生会福岡総合病院 内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院 内科), 西村 章(済生会福岡総合病院 外科), 松浦  弘(済生会福岡総合病院 外科), 中島 明彦(済生会福岡総合病院 病理診断科), 中村 和彦(九州大学大学院病態制御内科)
抄録 症例は80歳代、女性。高度な便秘症がありセンナを大量に内服していた。20XX年5月に腹痛を主訴に当院救急外来を受診し、CTでS状結腸から直腸にかけて腸管壁肥厚の所見より虚血性腸炎が疑われ入院となった。保存的加療で程なく症状は改善し、大腸内視鏡検査による精査を勧めたが拒否され、第5病日に退院となった。
その後症状なく経過していたが、同年7月某日夕より腹部全体に間欠的な疼痛が出現し、翌日には嘔吐を認め再度当院入院となった。保存的加療で腹部症状は第2病日より消失し、食事再開後も腹部症状の再燃は認めなかった。CTで前回所見に加え、前回検査では指摘できなかった脾彎曲部の腸管の限局性の壁肥厚がみられた。精査目的に腹部エコーを施行したところ、横行結腸左側に腸管壁構造を破壊する23×12mm大の低エコー性の腫瘤を認め、大腸癌を強く疑った。腹部エコー検査の結果を元にようやく本人の了解が得られ大腸内視鏡検査を施行した。横行結腸脾彎曲寄りに、亜全周性の粗大結節状の周堤を伴う不整な潰瘍性病変を認め、管腔は求心性に狭小化し、内視鏡は通過不能であった。正検ではGroup5、高分化型管状腺癌の所見であった。
繰り返す症状は横行結腸癌による閉塞が原因であると診断し、当院外科にて横行結腸切除術が施行された。腹部エコーによる消化管精査が診断に有用であった症例として、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 消化管エコー, 閉塞性腸炎