セッション情報 一般演題

タイトル 154:

当科におけるアダリムマブへのスイッチした2症例

演者 古賀 章浩(福岡大学筑紫病院 消化器内科)
共同演者 矢野 豊(福岡大学筑紫病院 消化器内科), 鶴身 小都絵(福岡大学筑紫病院 消化器内科), 高木 靖寛(福岡大学筑紫病院 消化器内科), 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 消化器内科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】クローン病(CD)に対するインフリキマブ(IFX)投与は寛解導入、維持および術後再発予防として投与され適応症例は拡大しているが、その一方でIFX不耐および二次無効例も見られるようになった。新しい生物学的製剤であるアダリムマブ(ADA)はそのような症例に対しても適応追加となった。今回我々は治療に難渋したCDに対しADAにスイッチし寛解維持し得た2症例を経験したので報告する。【症例1】40歳代、女性。1993年10月に小腸大腸型CDと診断された。 1998年 、2002年 6月に2度手術を施行され、術後腸管皮膚瘻に対し IFX投与(episodic投与)され瘻孔閉鎖に至った。2005年 6月に回腸人工肛門造設術を施行され、2006年 5月にストーマ瘻孔を形成し、IFX導入にて瘻孔閉鎖に至った。12月IFX投与後15分で呼吸困難が出現したため中止とし、AZA25mg/日内服を開始したが、2008年10月に回腸人工肛門再造設術が必要となった。術後AZA内服、EDにて経過観察となったが2011年 4月腸管病変の再燃を認めADAにスイッチした。スイッチ後1年以上経過するが臨床的寛解を維持している。【症例2】20歳代、女性。2002年6月大腸型CDと診断された。PSL依存となり離脱目的で10月にIFX(episodic投与)導入しPSL漸減中止となった。2005年 10月に再燃しPSL投与となった。2006年 3月にAZA導入するも肝障害で中止しPSL内服を開始した。2007年 8月貧血で入院した際にIFXを再導入しスケジュール投与を行った。2011年 3月膣瘻、腹痛、盲腸多発瘻孔を指摘され、手術を勧めるも本人の拒否が強く、4月にADAへスイッチした。ADA投与4週後に膣瘻閉鎖、盲腸多発瘻孔は閉鎖傾向だったが、12週後に膣瘻の再燃、瘻孔の増悪を認め、2011年 8月に大腸亜全的術、回腸-S状結腸吻合術を施行し術後再発予防目的でADA再導入したが1年経過後も臨床的寛解を維持している。【結論】IFXの不耐例や術後再発予防目的でもADAの有効性が示唆される。
索引用語 クローン病, アダリムマブ