セッション情報 |
パネルディスカッション18(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
小腸疾患に対する診断治療の現況と今後の展望
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タイトル |
消PD18-15:小腸潰瘍性病変についての検討
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演者 |
佐藤 祐邦(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
共同演者 |
別府 孝浩(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景と目的】近年、バルーン内視鏡(Balloon assisted endoscopy:BAE)、カプセル内視鏡などの登場により、検索不十分であった小腸疾患が明らかにされつつある。しかし、その診断能や診断体系は確立されておらず、診断に苦慮する症例は少なくない。今回、我々は主にBAEによる小腸潰瘍性病変の質的診断を検討した。【対象と方法】福岡大学筑紫病院にて2003年8月から2011年2月まで、小腸の観察を目的としてBAEを施行した386例のうち、小腸に潰瘍性病変を有する244例を対象とした。また、潰瘍性病変を大病変と2cm以下の小病変に分類し、1.大病変の診断率、2.小病変を有する症例の形態、配列の特徴、3.小病変のみの診断率の3項目を検討した。【成績】(検討1)小腸潰瘍性病変244例のうち、大病変を有するのはクローン病150例、NSAIDs起因性小腸炎8例、ベーチェット病8例、小腸結核8例などを含む185例(74%)であった。診断確定はBAE前で149例(81%)、BAE後は上記疾患を含む180例(97%)であり、16%の上乗せ効果があった。(検討2)小病変を有するのは186例(76%)であり、大病変を伴うものは127例で小病変のみは59例であった。クローン病は縦走、NSAIDs起因性小腸炎は輪状などの配列傾向を来していた。(検討3)小病変のみはクローン病20例、原因不明の空回腸炎16例、NSAIDs起因性小腸炎7例などを含む59例(24%)であった。診断確定例はBAE前で20例(34%)、BAE後は41例(69%)であり、35%の上乗せ効果があった。【結論】典型的な病変を呈する大病変の場合、BAE後の診断率は97%であり、ほぼ診断確定が可能であった。小病変では配列に一定の傾向が無い場合、診断確定率は大きく低下する傾向にあったが、BAEを施行することにより診断確定率は上昇した。そのため、診断確定目的に積極的にDBEを施行すべきと考える。 |
索引用語 |
バルーン内視鏡, 小腸潰瘍 |