セッション情報 一般演題

タイトル 073:

胆石イレウスの1例

演者 橋永 正彦(健康保険南海病院 消化器内科)
共同演者 八坂 成暁(健康保険南海病院 消化器内科), 本村 充輝(健康保険南海病院 消化器内科), 森本 章生(健康保険南海病院 消化器外科), 佐々木 淳(健康保険南海病院 消化器外科), 武内 裕(健康保険南海病院 消化器外科), 藤島 紀(健康保険南海病院 消化器外科)
抄録 症例は92歳男性。平成22年10月の当院でのCTにて、胆嚢内に径3.5cm大の胆石を指摘されていた。平成23年8月17日嘔吐、腹痛のため当院へ救急搬送。CTにて上部小腸に中心部が高吸収、辺縁が等~高吸収を呈する直径35mmの球状構造を認め、同部より口側の空腸・十二指腸・胃の著明な拡張を認めた。また、胆嚢は虚脱し、胆嚢内・胆管内にairが見られた。以上の所見から、胆嚢-十二指腸間に瘻孔ができ、胆石が腸管内腔へ脱出し、それによる閉塞性イレウスを発症したものと思われた。陥頓が上部小腸のため、緊急内視鏡検査を施行したところ、十二指腸下行脚に瘻孔と思われる所見を認め、スネアや鰐口鉗子を用いて、結石の回収や破砕を試みるも、表面がわずかに削れる程度で、内視鏡的採石は困難であった。同日外科で緊急開腹手術を施行。トライツ靭帯から約17cmの空腸に結石の陥頓を認め、同部を切開、結石を摘出した(結石は35mm×37mm)。術後経過は良好であり、8月26日退院となった。落下した胆石による腸管閉塞は稀な疾患である。症状は比較的緩徐な進行で非特異的であるため、急性胆嚢炎や他のイレウスと比較し診断が遅れる傾向にある。今回、我々は胆石イレウスの1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆石, イレウス