セッション情報 一般演題

タイトル 012:

PEG-IFNα2a単独投与でSVRが得られた骨髄性プロトポルフィリン症合併C型慢性肝炎の1例

演者 今中 大(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER霧島市立医師会医療センター), 椨 一晃(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER霧島市立医師会医療センター), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 橋口 正史(霧島市立医師会医療センター), 長谷川 将(霧島市立医師会医療センター), 藤崎 邦夫(霧島市立医師会医療センター), 桶谷 眞(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【はじめに】骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)はフェロケラターゼ(FECH)活性低下によって生じる先天性代謝異常で重篤な肝障害を合併することがある。また、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)にC型慢性肝炎を合併した場合は、抗ウイルス療法によりC型慢性肝炎だけでなく、PCTの臨床症状が改善することが報告されているが、EPPを合併したC型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法の影響については明らかにされていない。今回、EPP合併C型慢性肝炎症例(Genotype1, HCV RNA 3.9 LogIU/ml)に対して、PEG-IFNα2a単独療法を行い、SVRが得られた症例を経験したので報告する。【症例】42歳、女性。幼少期から日光過敏があり、顔面の腫脹や水疱がみられていた。41歳時に血中プロトポルフィリン上昇(2073μg/dl RBC)とFECH遺伝子変異を認め、骨髄性プロトポルフィリン症と診断された。その後、肝障害が持続し、HCV抗体陽性でもあったため、当科に紹介された。肝生検の病理所見では骨髄性プロトポルフィリン症でみられるような茶褐色の顆粒の沈着はみられず、脂肪化やPAS染色陽性物質の沈着も認めず、C型慢性肝炎が肝障害の原因と考えられた。PEG-IFNα2a治療を開始し、治療開始1週後より血中HCV-RNAは陰性化した。貧血の進行を認めたため、20週で治療を終了したが、SVRが得られた。また、経過中に一過性のALT上昇を認めたものの、血中プロトポルフィリンの明らかな上昇はなく、EPPの増悪はなかった。【考察】EPP合併C型慢性肝炎に対するIFN治療はEPPの病態には影響しないと考えられた。また、肝障害の原因がC型慢性肝炎の場合には、EPPを合併した場合でもC型慢性肝炎に対するIFN治療は安全に施行できると考えられた。
索引用語 骨髄性ポロトポルフィリン症, C型慢性肝炎