セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
---|---|
タイトル | 研86:成人腸重積症3例の比較検討 |
演者 | 倉田 加奈子(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科) |
共同演者 | 森山 大樹(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 後藤 佳登(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 中島 陽平(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 吉田 真樹(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 村上 光彦(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 松本 耕太郎(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 許斐 裕之(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 大城戸 政行(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 加藤 雅人(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科), 一宮 仁(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院外科) |
抄録 | 【はじめに】成人の腸重積症は小児の腸重積症に比べて稀な疾患であり、器質的病変が原因となっていることが多い。また、腸重積症はCTやエコーにより高率に診断されるが、その原因や治療方針はさまざまである。今回、過去5年間に経験した成人腸重積症3例の原因、治療について比較検討した。【症例】1)85歳、男性。腹痛、嘔吐のため来院した。腹部CTで小腸の著明な拡張および腸重積所見を認め、緊急手術を施行した。Treitz靭帯から約120cmの位置より約1mにわたり、小腸の著明な拡張を認め、Hutchinson法で整復した。肉眼的には腸管壊死所見を認めず、整復した小腸は軽度浮腫状を呈していた。先進部に腫瘤性病変を認めたため、小腸部分切除術を行った。術後病理組織診断はPeitz-Jeghers polypであった。2)58歳、女性。2ヶ月間持続する腹痛が増悪し、近医で腸重積症と診断され当科を受診した。下部消化管内視鏡検査で重積は解除されたが、先進部に横行結腸癌を認め、待機的に右半結腸切除術を行った。3)50歳、男性。上腹部痛、嘔吐のため受診した。空腸完全閉塞の診断で、緊急手術を施行した。空腸漿膜と腹壁の癒着による腸閉塞であった。術後、イレウスチューブ抜去後より再び嘔気・嘔吐が出現した。腹部X線検査で腸閉塞再発を認め、再手術とした。腹腔内に約12cm大の空腸重積を認めた。器質的な病変はなく、intussusceptumとintussuscipiensの癒着によるものだった。【結論】腸重積症は観血的、非観血的問わず、早急な重積解除が必要である。また、成人の腸重積症は小児と比較し、器質的病変、特に腫瘍が原因となっていることが多く、非観血的に整復できた症例でも、腫瘍性病変の可能性を念頭において原因の精査を行うことが重要である。 |
索引用語 | 腸重積症, 緊急手術 |