セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専14:胆嚢癌との鑑別が困難であった膿瘍形成を伴う胆嚢腺筋症の一例 |
演者 | 豊田 真理(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科) |
共同演者 | 田代 光太郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 島岡 俊治(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 社本 多恵(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 伸亮(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 政 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 松田 彰郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 仁王 辰幸(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 新原 亨(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 山筋 忠(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 嘉人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 堀 雅英(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 寛人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 田中 貞夫(公益社団法人鹿児島共済会南風病院病理診断科), 小園 勉(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科), 有留 邦明(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科), 末永 豊邦(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科) |
抄録 | 症例は70歳代男性、2011年6月心窩部痛を主訴に近医受診。同院で施行した採血にて肝障害を指摘され腹部造影CTを施行したところ胆嚢壁肥厚認めた。胆嚢癌が疑われ精査を勧められていたが、患者が積極的な精査を希望されずその後の経過で臨床症状・採血結果ともに改善傾向にあったため経過観察となっていた。2012年1月PET検診を施行した際に胆嚢の異常集積を認め胆嚢癌が疑われたため、精査目的にて当科紹介となった。採血結果では腫瘍マーカーも含め有意な異常所見は認めなかった。腹部超音波検査では胆嚢底部は腸管ガスで描出不良だったが、体部の壁肥厚とコメットエコー多数見られ、腹部造影CTでは胆嚢底部に早期濃染し、造影効果が遷延する径18mmの腫瘤性病変認めた。EUSでは内部にASを伴うSEが多発した20mm程度の不均一な腫瘤性病変認めた。いずれの画像所見でも明らかな肝浸潤は伴わないものの、胆嚢壁の不整があることから肝床浸潤を伴う胆嚢癌の診断となった。外科的手術にて根治が期待できると判断し、当院外科にて胆嚢摘出術及び肝床部切除術施行した。切除標本では胆嚢に15mm大の腫瘤を認めるも形態的には粘膜下腫瘍様で粘膜面や漿膜面には肉眼的に異常は指摘できず、術後病理組織学的に一部に膿瘍形成を伴う胆嚢腺筋症の診断となった。画像上、癌との鑑別に非常に苦慮した症例であり、教育的な症例と思われたため、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胆嚢癌, 胆嚢腺筋症 |