セッション情報 一般演題

タイトル 111:

ヨード系造影剤アレルギーのある進行肝細胞癌症例に対してCO2を用いたIVR治療により奏功した1例

演者 森 慎一郎(公立八女総合病院内科)
共同演者 永松 洋明(公立八女総合病院内科), 水上 直久(公立八女総合病院放射線科), 堤 翼(公立八女総合病院内科), 平井 真吾(公立八女総合病院内科), 丸岡 浩人(公立八女総合病院内科), 城野 智毅(公立八女総合病院内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院内科), 吉田 博(公立八女総合病院内科), 鳥村 拓司(久留米大学消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科)
抄録 【はじめに】ヨード系造影剤アレルギーのある肝細胞癌(HCC)症例に対してはIVR治療が困難であり治療に難渋する。今回CO2を用いた血管造影により簡易リザーバーを留置し、肝動注化学療法(HAIC)と放射線療法を同時期に行い奏功した、門脈腫瘍塞栓を伴う進行肝細胞癌の1例を経験したので報告する。【症例】65歳男性、1999年に肝S5:60mmのHCCに対して肝右葉切除を施行。2001年1月にHCCの多発性再発を認めたが、HAICを行いCRが得られた。2009年にみられたHCC再発に対しては再肝切除を施行し得た。2010年にはHCC多発再発がみられたが、このときはヨードアレルギーのため動注用シスプラチンのone-shot動注とソラフェニブ内服が開始された。肝機能はChild Pugh grade Aで保たれているが、2012年3月よりS4のHCC増大を認め、AFPは3月2826 ng/mL、4月5119 ng/mLと上昇し、2012年5月に加療目的に当院紹介となった。HCCはVP2を伴い50mm大と増大し、AFPは12930 ng/mL とさらに上昇した。5月7日にCO2-Angioを施行し固有肝動脈に簡易リザーバーを留置し、同日よりLow dose FPを開始した。CDDP投与後にアレルギー症状が出現し、ステロイド投与にて症状は改善した。8日からは5FUのみ動注を計10回施行し、18日にエピルビシン30mgを動注後簡易リザーバーを抜去した。また並行して5月9日より再発HCCに対して放射線治療を開始し、15日まで48Gy(9.6Gy×5回)施行した。全身状態、肝機能などは問題なく5月22日退院となった。AFPは6月14日には140 ng/mLと著明に低下し、造影MRIにて腫瘍内部の血流を認めず治療は奏功した。【まとめ】ヨード系造影剤アレルギー症例に対してもCO2を用いて安全にリザーバーを留置することは可能であった。ソラフェニブ投与中に急速増大したHCCに対してHAIC + 放射線治療は有効であった。   
索引用語 ヨードアレルギー, CO2血管造影