セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専58:

IFN長期投与により肝線維化の著明な改善を認めたC型慢性肝炎の1例

演者 草永 真志(産業医科大学 第3内科)
共同演者 日浦 政明(産業医科大学 第3内科), 鬼塚 良(産業医科大学 第3内科), 千手 倫夫(産業医科大学 第3内科), 松橋 亨(産業医科大学 第3内科), 柴田 道彦(産業医科大学 第3内科), 阿部 慎太郎(産業医科大学 第3内科), 原田 大(産業医科大学 第3内科)
抄録 【症例】25歳、男性【主訴】特になし【現病歴】母親はB型肝炎キャリア。生後2カ月にB型劇症肝炎となり、血漿交換、GI療法、ステロイド投与等の治療が行われた。生後10カ月で食道静脈瘤を指摘され、肝生検でも肝硬変の像であった。2歳時には食道離断術を施行され、同時期HCV感染も指摘された。2歳時にC型肝炎に対してIFNβを1ヵ月間投与された。5歳時にはIFNαを約6ヵ月間投与された。HCV-RNA陰性化を認めたが、経過中にHCV-RNAが陽性化し、8歳時には、肝細胞癌を認めたため肝部分切除術施行され、退院後は肝庇護療法を継続されていた。23歳の時、血小板減少に対して脾動脈コイル塞栓術及び開腹脾臓摘出術を施行され、Peg-IFN及びribavirin療法を開始された。HCV-RNAは陰性化しtransaminaseも正常化を認めていたが、治療中うつ症状出現し投与中止され、HCV-RNAの再燃も認めた。以後、IFNα、IFNβの少量長期投与を継続されていた。25歳の時肝生検にてA1,F0と肝線維化の改善を認めており、C型慢性肝炎に対してPeg-IFN、ribavirin、teraprevir療法開始した。IFNの投与によりSustained Virological Respnse(SVR)が得られた症例では肝線維化が改善する。SVRが得られなくても一部の症例で線維化が改善したとの報告や、肝硬変症例にIFN治療を行い肝不全への進行を抑制できたとの報告がある。本例でも、IFN長期投与により肝線維化の著明な改善を認めており、貴重な症例と考え報告する。
索引用語 C型慢性肝炎, IFN