セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研07:緩徐な経過で多発肝腫瘍、両耳下腺腫脹、多発肺腫瘍を認め悪性リンパ腫の診断可能となった一例 |
演者 | 是久 翔太郎(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター) |
共同演者 | 中村 吏(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 黒川 美穂(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 岩田 真悠子(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 山口 恵梨子(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 寺松 克人(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 柿ヶ尾 佳奈(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 岡本 梨沙(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 原口 和大(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 藤森 尚(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 隅田 頼信(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 國府島 庸之(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 吉本 剛志(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 河邉 顕(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 福嶋 伸良(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 福泉 公仁隆(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 原田 直彦(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター), 中牟田 誠(九州医療センター消化器内科 臨床研究センター) |
抄録 | <症例>85歳女性<現病歴>2009年X月に近医で軽度肝障害、腹部エコーで2cm大の低エコー病変を認め、当科へ紹介受診。各種画像検査・肝腫瘍生検を施行したが、明らかな悪性所見を認めず、経過観察を行っていた。口腔乾燥感を認めるも全身状態は良好であり当科外来で経過観察を継続した。発症より13ヵ月目に左耳下腺部腫脹と開口障害を認め、近医耳鼻咽喉科を受診、原因は特定できず、経過観察で耳下腺腫脹は軽減していた。口は次第に開くようになり、その後2か月程で顎の腫れも自然に軽快した。第27ヵ月目で両耳下腺腫脹は増大を認め、約6cm大を示した。第32ヵ月目に当科での腹部エコー検査で、多発肝腫瘍(25mm)の増大を認めたため、PET-CTを行い、両耳下腺、肺、肝に高度集積病変を認めた。IgG4正常範囲、LDH軽度上昇、可溶性IL-2レセプター600U/mlであった。全身状態良好(発熱なし)であり、両側耳下腺腫脹以外には有意な身体所見は認めなかった。造影CTでは両側耳下腺が著明に腫大し、不均一に造影された。肺内には境界明瞭な不整形の腫瘤を認め、肝内には両葉にlow-low patternを呈する境界不明瞭な腫瘤を多数認めた。IgG4関連疾患や悪性リンパ腫を鑑別に挙げ、肝腫瘍生検を施行したが、IgG4は陰性であり、Atypical lymphoidの浸潤を認めた。当院耳鼻科にて耳下腺生検を実施、病理検査・フローサイトメトリーを行ったところ、悪性リンパ腫, びまん、大細胞型と診断、当院血液内科で全身化学療法を行うこととなった。<考察、結論>緩徐な進行により診断困難であった肝原発の悪性リンパ腫を経験した。節外性に発生する悪性リンパ腫の中でも肝臓原発は比較的まれといわれており、若干の文献的考察を交えて報告する。 |
索引用語 | 多発肝腫瘍, 耳下腺腫脹 |