セッション情報 一般演題

タイトル 058:

Stage IV胃癌のpalliative surgeryとしての完全腹腔鏡下胃全摘術

演者 安藤 幸滋(九州大学 消化器・総合外科)
共同演者 沖 英次(九州大学 消化器・総合外科), 中村 健一(熊本大学 消化器外科学), 井田 智(熊本大学 消化器外科学), 木村 和恵(九州大学 消化器・総合外科), 佐伯 浩司(九州大学 消化器・総合外科), 森田 勝(九州大学 消化器・総合外科), 楠本 哲也(九州大学 消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学 消化器・総合外科)
抄録 【はじめに】Stage IV胃癌はしばしば腫瘍からの出血や腫瘍による狭窄等の症状を伴い、時にpalliative surgery が必要とされる。今回、腫瘍による出血や狭窄を伴うStage IV胃癌に完全腹腔鏡下胃全摘術を3例に施行した。Palliative surgeryとしての完全腹腔鏡下胃全摘術の安全性および有用性について検討する。【症例1】69歳女性。食欲不振を主訴に来院した。上部消化管内視鏡を施行され、胃体上部の胃癌と診断された。術中腹水洗浄細胞診陽性(CY1)であったが、通過障害を認めたため完全腹腔鏡下胃全摘術を施行した。手術時間は340分、出血量は72gであった。【症例2】57歳女性。貧血の精査にて噴門部の胃癌および肝転移と診断された。輸血を行うも腫瘍からの出血が続き、改善を認めなかった。出血コントロール目的に完全腹腔鏡下胃全摘術を施行した。手術時間は197分、出血量は29gであった。【症例3】82歳男性。心窩部痛の精査で噴門部の胃癌と診断。PETにて腹膜播種が疑われたが、通過障害を認め、完全腹腔鏡下胃全摘術を施行した。術中に腹膜播種を認め(P1)、腹水洗浄細胞診も陽性であった(CY1)。手術時間は283分、出血量は250gであった。3例とも術後合併症を認めなかった。早期に経口摂取が開始可能であり、術後経過は良好であった。3例中2例は早期に術後化学療法が施行可能であった。【考察】Stage IV胃癌のpalliative surgeryとしての完全腹腔鏡下胃全摘術は低侵襲かつ安全に施行可能であった。術後早期の回復が可能であり、術後化学療法の導入もスムーズに行えた。Stage IV胃癌のpalliative surgeryとしての完全腹腔鏡下胃全摘術は患者のQOL向上に有用であると考えられた。
索引用語 胃癌, 腹腔鏡手術