セッション情報 一般演題

タイトル 032:

7年間の経過観察後に切除術を行ったIPMCの1例

演者 宮原 健輔(社会保険田川病院内科)
共同演者 加治 亮平(社会保険田川病院内科), 川口 俊弘(社会保険田川病院内科), 森 敦(社会保険田川病院内科), 中根 智幸(社会保険田川病院内科), 國武 泰史(社会保険田川病院内科), 前川 隆一郎(社会保険田川病院内科), 新井 相一郎(社会保険田川病院外科), 貝原 淳(社会保険田川病院外科), 岡部 義信(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 自見 厚郎(久留米大学医学部看護学科病理学), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 症例は76歳の女性、病歴は慢性膵炎で経過観察中に平成17年に腹部超音波検査にて膵頭部に膵嚢胞性病変を認めたためにERCPを施行、膵液細胞診にてclass2の診断となり以降定期外来通院となった。平成20年に経過観察の腹部超音波検査にて35mm×15mmの嚢胞内に約15mmの乳頭状結節を認めたために再度ERCPを施行。分枝膵管型IPMNを疑い外科的加療を勧めるも同意を得る事が出来ずに引き続き外来経過観察となった。平成23年11月腹部超音波検査、腹部造影CT、MRCPにて嚢胞(44mm×27mm)および嚢胞内の乳頭状結節(約24mm)が増大傾向を認めたためにEUS,ERCP、EUS-FNAを施行。本邦では膵嚢胞性疾患に対してのEUS-FNAの施行は播種の危険性があり否定的な意見が大勢であるが十分なインフォームドコンセントのもと診断のためにEUS-FNAを施行した。EUS-FNAはスコープはGF-UCT260を用い、オリンパスEZ-shot2 22G針で嚢胞内結節を目標に2回穿刺を行った。また穿刺内容液を約5ml吸引し生化学検査を行った。EUS-FNAではclass3の診断であったが、腫瘤が増大傾向である事、今後年齢的に外科的加療が困難になる可能性が強いことを説明し外科的加療の同意を得る事ができたために平成24年6月膵頭十二指腸切除術を施行し、結果はIPMA with minimal invasive ductal adenocarcinomaの診断であった。今回我々は7年間の経過を追うことが可能であったIPMCを経験したので報告する。
索引用語 IPMC, EUS-FNA