セッション情報 一般演題

タイトル 033:

主膵管拡張の増大のため外科切除し、主膵管型IPMCであった2例

演者 厚井 志郎(産業医科大学第1外科)
共同演者 田嶋 健秀(北九州総合病院), 谷口 竜太(産業医科大学第1外科), 田村 利尚(産業医科大学第1外科), 皆川 紀剛(産業医科大学第1外科), 山口 幸二(産業医科大学第1外科)
抄録 今回我々は、経時的に主膵管拡張が観察された主膵管型IPMNに対して手術を施行し、IPMCの診断を得た2例を経験したので報告する。症例1:77歳、女性。76歳より自己免疫性肝炎の精査中、CT・MRIにて膵体尾部の主膵管の拡張を認めた。主膵管型IPMNを疑うも、この際は自己免疫性肝炎の加療を先行することとなり、経過観察の方針となった。その7ヶ月後のCTで主膵管の拡張が増大し、EUSで壁在結節を認めた。ERCPにて膵液細胞診、膵管擦過細胞診を行うも悪性所見は認めなかった。主膵管型IPMNの診断で膵体尾部・脾臓合併切除術を行った。摘出標本の病理学的診断ではIPMCであった。症例2:60歳、女性。56歳時に急性膵炎を発祥、以後、年に1度の頻度で急性膵炎を繰り返し、その精査目的で当院へ紹介された。CTで、56歳時には観察されたなかった膵体尾部の不規則な主膵管拡張が見いだされ、MRCPでも同様に膵体尾部の不規則な主膵管拡張を呈していた。EUSでは拡張膵管に壁在結節を認め、ERCPでは膵体尾部の主膵管の著明な拡張と粘液によると考えられる欠損像を認めた。膵管擦過細胞診でadenocarcinomaの診断であった。以上より、主膵管型IPMCが疑われ、膵体尾部脾合併切除術が施行された。術後病理診断はIPMCの診断であった。経時的に主膵管拡張が増大した主膵管型IPMNに対して手術を施行し、主膵管型IPMCであった2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 IPMN, IPMC