セッション情報 一般演題

タイトル 088:

中分化型肝細胞癌術後2年後に細胆管癌の発生を認めた1例

演者 門野 義弘(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 塩屋 公孝(済生会熊本病院 消化器病センター), 吉松 亜希子(済生会熊本病院 消化器病センター), 竹口 真隆(済生会熊本病院 消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 工藤 康一(済生会熊本病院 消化器病センター), 浦田 淳資(済生会熊本病院 消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院 消化器病センター), 杉山 眞一(同 外科), 高森 啓史(同 外科), 神尾 多喜浩(同 病理), 西春 泰司(近見医院)
抄録 症例は73歳男性。C型慢性肝炎の基礎疾患を有し、平成21年12月に肝S8の肝細胞癌に対して肝部分切除術を施行された。切除標本の病理診断は中分化型肝細胞癌であった。経過観察中の平成23年12月、肝S4、S6に2cm大の腫瘍が確認された。造影CTでは明らかな早期濃染を認めなかった。精査の結果、肝細胞癌再発(低分化型肝細胞癌)と診断し、拡大肝内側域切除+S6部分切除を施行した。切除標本の免疫染色では、2病変とも腫瘍細胞はサイトケラチン(CK)7強陽性、CK19陽性、AM1/AE3強陽性、CAM5.2陽性、EMA陽性、クロモグラニンA、CD56、シナプトフィジン陰性であり、細胆管癌と診断された。細胆管癌はHering管由来と考えられており、Hering管には肝幹(前駆)細胞が存在することが明らかにされている。したがって、細胆管癌では種々の程度に胆管細胞癌や肝細胞癌への分化傾向を示すと報告されている。細胆管癌についての症例報告は散見されるが、異時性に肝細胞癌と細胆管癌を発症した報告は稀である。今回、肝細胞癌術後2年後に細胆管癌の異時性発癌を認めた症例を経験したので文献的考察も含めて報告する。
索引用語 肝細胞癌, 細胆管癌