セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 051:腸管スピロヘータ症 (intestinal spirochetosis)の2例 |
演者 | 原口 和大(国立病院機構 九州医療センター 消化器センター) |
共同演者 | 波戸崎 萌奈美(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 山口 恵梨子(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 柿ヶ尾 佳奈(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 岡本 梨沙(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 藤森 尚(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 隅田 頼信(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 國府島 庸之(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 吉本 剛志(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 河邉 顕(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 福嶋 伸良(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 福泉 公仁隆(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 中牟田 誠(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター), 中山 吉福(国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センターDELIMITER国立病院機構 九州医療センター 病理), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科) |
抄録 | 【はじめに】腸管スピロヘータ症(intestinal spirochetosis)は、グラム陰性桿菌であるBrachyspira属を原因菌とする人畜共通感染症で、糞便を介して経口感染により感染する。症状は下痢や腹痛、血便などの腹部症状を認めることがあるが、自覚症状がなく偶然診断される症例も多い。内視鏡像は区域性の発赤、浮腫やびらん、小潰瘍など非特異的な炎症像を呈すると報告されている。今回、大腸内視鏡下生検にて診断に至った腸管スピロヘータ症の2例を経験したので報告する。【症例1】61歳、男性 主訴:下痢 既往歴:52歳時 大腸ポリープ、60歳時 食道表在癌に対しESD施行 現病歴: 20XX年8月、下痢精査および大腸ポリープ経過観察目的に当科外来受診。 臨床経過:大腸内視鏡検査にて、下行結腸からS状結腸にアフタないし小びらんが散在。下行結腸病変部からの生検にて腸管スピロヘータ症の診断に至った。下痢の原因である可能性を考え、metronidazole 1000mg/日 7日間による除菌療法を行った。除菌療法4か月後に大腸内視鏡検査を施行したところ、病変の大部分は消失しており、下痢症状も軽快した。【症例2】51歳、男性 主訴:下痢 現病歴:20XX年2月に腹部CTにて肝細胞癌を疑われ、精査加療目的に当科入院。 臨床経過:入院中に下痢(3-4行/日)が出現し、改善しないために大腸内視鏡検査を施行した。盲腸から直腸まで発赤斑が散在し、盲腸には小潰瘍および浮腫状粘膜を認めた。S状結腸発赤斑からの生検にて腸管スピロヘータ症の診断に至った。metronidazole 500mg/日 10日間による除菌療法を行い、除菌後、下痢症状は徐々に改善し、その後症状消失した。除菌療法4か月後に大腸内視鏡検査を施行したところ、病変は完全に消失しており、生検にて病原菌は認められなかった。【考察】metronidazole経口投与にて下痢症状および内視鏡像の改善が認められた、腸管スピロヘータ症の2例を経験した。腸管スピロヘータ症は、欧米ではよく知られている疾患であるが、本邦では文献報告例は少なく比較的まれな疾患とされ、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 腸管スピロヘータ症, 下痢 |