セッション情報 一般演題

タイトル 040:

経カテーテル的動脈塞栓術が奏功した胃十二指腸動脈瘤破裂によるhemosuccus pancreaticusの1例

演者 柊元 洋紀(鹿児島市医師会病院消化器内科)
共同演者 小山 一隆(鹿児島市医師会病院消化器内科), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院消化器内科), 中武 信純(鹿児島市医師会病院消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院消化器内科), 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院消化器内科), 内園 均(鹿児島市医師会病院消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院消化器内科), 田之畑 佐也佳(鹿児島市医師会病院放射線科), 上野 和人(鹿児島市医師会病院放射線科), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 症例は63歳男性。10年ほど前に糖尿病を指摘されるも放置、また常習飲酒家であった。2012年3月28日左片麻痺が出現し、近医にて脳梗塞の診断で保存的加療を行われていた。近医入院時より貧血を指摘されていたが、鉄剤投与で経過観察となっていた。4月7日突然黒色の嘔吐があり、プロトンポンプ阻害剤を開始され、症状は一時改善したため経口摂取を開始された。しかし、貧血は徐々に進行したため、消化管精査目的に4月13日当院紹介入院となった。4月14日上部消化管内視鏡検査を行い、十二指腸乳頭部より血液の流出を認めたため、腹部造影CTを施行し、胃十二指腸動脈を栄養血管とする2cm大の仮性動脈瘤を認めた。アルコール性慢性膵炎に合併した仮性動脈瘤が膵管内へ穿破し,hemosuccus pancreaticusを呈したものと診断した。腹部血管造影でも、胃十二指腸動脈に仮性動脈瘤を認め、これに対し経カテーテル的動脈塞栓術を施行した.術後貧血の進行は認めず、経過は良好にて紹介医へ転院となった。上部消化管出血の原因としての胃十二指腸動脈瘤破裂によるhemosuccus pancreaticusは稀な疾患であり、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 hemosuccus pancreaticus, 胃十二指腸動脈瘤破裂