セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 175:当科で経験した神経内分泌癌の4症例 |
演者 | 黨 和夫(長崎大学腫瘍外科(第一外科)) |
共同演者 | 竹下 浩明(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 石井 光寿(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 松本 彩(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 小山 正三郎(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 銕尾 智幸(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 溝口 聡(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 森山 正章(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 村上 豪志(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 高木 克典(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 田中 研次(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 福田 大輔(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 國崎 真己(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 阿保 貴章(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 日高 重和(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 七島 篤志(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 澤井 照光(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 安武 亨(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 永安 武(長崎大学腫瘍外科(第一外科)), 安部 邦子(長崎大学病院病理部/臨床病態病理学) |
抄録 | 【はじめに】大腸原発の内分泌細胞癌(NET)は原発性大腸癌の0.2%とまれな疾患であり、早期に血行性およびリンパ行性転移をきたし非常に予後不良とされている。【目的】大腸原発内分泌細胞癌の臨床病理学的特徴を明らかとする。【材料と方法】1990年1月から2011年12月の22年間に当科で経験した大腸手術症例のうち、非上皮性腫瘍と重複癌を除いた1061例を対象とし、神経内分泌細胞癌のWHO 2010年分類に準じて神経内分泌癌を検索した。【結果】1061例中、神経内分泌癌を4症例認めた(0.38%)。性別は男性、女性ともに2例づつで、平均年齢は68.8歳であった。腫瘍の局在は、右側結腸(A)に2例、左側結腸(RS, P)に2例であった。腫瘍径の平均は35mmで、術式は部分切除(TEM)が1例、回盲部切除術1例、右半結腸切除術1例、低位前方切除術1例であった。病理結果は2010年のWHO分類に準じると、NEC(small cell type)が2例、NEC(large cell type)が各1例、MANECが1例であった。深達度およびstageは、smが2例(stageIとIIIa)、ssが2例(stageIIとIIIb)であった。TEMを除く3例のリンパ節転移は、n0, n1, n3が各1例づつであった。stageIIIの2例は再発死亡したが、stageIとIIの2例は現在も無再発生存中である。【症例提示】症例1:70歳の男性。RSの腫瘍に対し低位前方切除術を施行。病理結果はNEC(small cell type)の診断。術後3か月目に死亡した。症例2:74歳の女性。肛門管にかかるポリープ様病変に対しTEMを施行。病理結果はNEC(large cell type)であった。症例3:54歳の女性。肝湾曲部の上行結腸に全周性の腫瘍を認め、右半結腸切除術を施行した。病理結果はMANECであった。術後2年で再発死亡した。症例4:77歳の男性。回盲部近くの上行結腸に2型腫瘍を認め、回盲部切除術を施行。病理結果はMANECであった。術後2年が経過し、健在である。【考察】大腸のNETは1年生存率は23.5%、平均生存期間約6か月との報告もある極めて予後不良な疾患であるが、本検討のようにstageI,IIの症例では長期予後も期待できるため、早期の診断・治療が予後の改善には不可欠であると思われる。 |
索引用語 | todaisuke, tomayuko |