セッション情報 一般演題

タイトル 130:

当院における小腸憩室手術例の検討

演者 田渕 聡(健康保険諫早総合病院 外科)
共同演者 佐藤 綾子(健康保険諫早総合病院 外科), 持永  浩史(健康保険諫早総合病院 外科), 飛永 修一(健康保険諫早総合病院 外科), 小松 英明(健康保険諫早総合病院 外科), 村岡 昌司(健康保険諫早総合病院 外科), 山口 広之(健康保険諫早総合病院 外科), 君野 孝二(健康保険諫早総合病院 外科), 中島 正洋(長崎大学 原研病理)
抄録 【はじめに】小腸憩室症は消化管憩室症のなかでも発見頻度が最も少ない憩室で全消化管憩室の中での頻度は1.4~3.2%と報告されている。一般的に小腸憩室での発生部位別頻度は回腸末端から口側30cm以内が77%、50cm以内が86%を占めるとされている。今回われわれは、2007年~2012年の過去6年間の当院での小腸憩室症例について検討を行った。【対象】2007年1月~2012年7月までの当科にて手術を行った6例を対象とした。【結果】男性3人、女性3人、平均41.5歳(17~77歳)、症状は腹痛が5人、腹満感が1人であった。診断はCTでされることが多く、術前診断として穿孔3例、腸閉塞2例、軸捻転1例となっていた。その内、術前に憩室の存在を指摘されていたものは2例であった。発生部位は回腸末端から50cm以内が4例であり約7割であった。術式は5例に腸切除が施行されていた。最終的な病理診断は、全例が小腸憩室と診断された。【考察】今回の対象では、好発部位は回腸末端から50cm以内であり従来の報告の好発部位であった。CTの画像診断で小腸憩室と術前診断がついたものは2例のみであり、術前診断はやはり困難であった。通常は無症状のことが多く、発見されること自体が少ないが、今回の検討では半数が穿孔例であり、症状が出現した際には穿孔などの重篤な状態になりうることが示唆された。今回、当施設での小腸憩室手術症例に関して若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 小腸, 憩室