セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専63:

稀な膵腫瘍の一例

演者 下川 雄三(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科)
共同演者 田尻 博敬(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科), 荒武 良総(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科), 久野 晃聖(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科), 杉本 理恵(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科), 古川 正幸(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科), 前原 伸一郎(九州がんセンター 消化器外科), 根東 順子(九州がんセンター 消化器外科), 池田 泰治(九州がんセンター 消化器外科), 西山 憲一(九州がんセンター 病理診断科), 奥村 幸彦(社会保険 仲原病院 内科)
抄録  症例は68歳女性。当院婦人科で59歳時に子宮体癌切除(Stage1a・根治術)を行われており、血液検査・画像検査など経過観察されていた。経過中の68歳時に腫瘍マーカーの上昇(CA125: 215U/ml)を認め、CTでは膵尾部から脾門部にかけておよそ8cm大の腫瘤を指摘された。 当科で精査を行ったところ、腫瘤は内部に充実成分を伴う嚢胞性腫瘤の様相を呈しており、境界は明瞭で壁は不均一に肥厚していた。ERCPでは主膵管との交通を認めず、MRIでは嚢胞内部に出血が疑われたことから、Solid Pseudopapillary Neoplasmが最も疑われた。腫瘤近傍にあたる胃小弯に腫大リンパ節が疑われた他には明らかなリンパ節転移・遠隔転移を認めず、当院消化器外科で膵体尾部切除術(脾合併切除・リンパ節郭清)を行われた。 切除標本の病理所見も併せmucinous cystadenocarcinoma, T3N0M0 Stage3と一旦は診断されたが、免疫染色を追加したところ診断・治療方針に変更が生じた。比較的稀な症例と考えられ、文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵腫瘍, 嚢胞性腫瘍