セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 014:テラプレビル三剤併用療法に伴う高尿酸血症と腎機能障害の関係とその対策 |
演者 | 大野 香織(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 村岡 良朗(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 吉嶺 陽造(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 野崎 剛(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【背景・目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対してテラプレビル三剤併用療法が承認されたが、その有害事象として皮膚症状、貧血に加えて血清クレアチニン値の上昇が問題となっている。一方、三剤併用療法では高尿酸血症も高頻度に発現する。今回我々は、三剤併用療法における腎機能障害と高尿酸血症の関係について検討したので報告する。【対象・方法】HCV serotype 1およびgenotype 1b、高ウイルス量の症例のうち、治療開始後に高尿酸血症(血清尿酸値7mg/dl以上)を発現した8例を対象とし、下記の検討を行った。(1) テラプレビルの用量および投与方法、(2) 血清クレアチニン値、eGFRおよび血清尿酸値の推移、(3) 尿中尿酸排泄量および尿酸クリアランス、(4) 飲水負荷・補液、痛風治療薬のeGFRに及ぼす影響。【結果】(1) テラプレビルは1日1500 mg、分2で全例に投与された。(2) 投与1日目から血清クレアチニンが上昇し、eGFRは低下した。血清尿酸値は投与1日目は正常であったが、投与3日目には全例で上昇し、eGFRはさらに低下した。(3) 7例が尿酸排泄低下型、1例が混合型であった。(4) 尿酸値上昇に伴って低下したeGFRは、飲水負荷・補液または尿酸産生阻害薬(アロプリノール)内服による血清尿酸値の低下に伴い改善した。【考察】テラプレビル三剤併用治療に伴う腎機能障害は早期に発現し、排泄低下型の高尿酸血症を誘導すること、また高尿酸血症の存在が腎機能障害をさらに増悪させている可能性が示唆された。一方、飲水負荷・補液、尿酸産生阻害薬による高尿酸血症の治療は、腎機能障害に有用と考えられた。 |
索引用語 | テラプレビル, 高尿酸血症 |