セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研54:

腹腔鏡下生検にて結核性腹膜炎と疑診した1例

演者 高井 善史(中津市民病院内科)
共同演者 橋本 理沙(中津市民病院消化器内科), 田中 琢磨(中津市民病院消化器内科), 坂井 洋子(中津市民病院内科), 原田 林(中津市民病院消化器内科), 多喜 研太郎(中津市民病院消化器内科), 安田 幹彦(中津市民病院消化器内科), 渡邉 哲博(中津市民病院内科), 横田 昌樹(中津市民病院消化器内科), 廣石 和章(中津市民病院外科), 白水 章夫(中津市民病院外科), 岸原 文明(中津市民病院外科), 池田 正仁(中津市民病院外科), 山本 一郎(中津市民病院病理診断科)
抄録 【症例】85歳女性【主訴】腹部膨満【現病歴】2012年4月初旬より腹痛が出現し微熱が続いていた。4月中旬頃発熱、腹痛を主訴に近医に入院した。CMZが2週間投与されたが改善を認めなかった。腹痛に加え徐々に腹部が膨隆してきたため、4月下旬に精査加療目的で当院紹介となった。【入院後経過】血液検査では低アルブミン血症(1.8g/dl)、CRP強陽性(29.9mg/dl)、CA125の高値(156U/ml)を認めた。腹部CTでは多量の腹水と数ミリ大の石灰化結節を多数認めた。腹水は滲出性でヒアルロン酸が高値(37900ng/ml)であった。腹水中に悪性細胞は確認できず、結核菌を証明することもできなかった。結核性胸膜炎の既往があり、腹部CT所見からも結核性腹膜炎が疑われることから、入院6日目抗結核薬4剤の投与を開始した。その後炎症反応は改善、腹水も減少し、CA125は著明に低下(59.8U/ml)した。確定診断を付ける目的で入院62病日に行った腹腔鏡による生検では、腹腔内は癒着がひどく観察困難であった。観察範囲内で腹膜と大網の生検から類上皮細胞とラングハンス巨細胞を認めたが、乾酪壊死は認められなかった。【結語】確定診断に至らなかったが、臨床経過より結核性腹膜炎が強く疑われた症例を経験したので報告する。
索引用語 結核性腹膜炎, 腹腔鏡