セッション情報 一般演題

タイトル 056:

診断に苦慮した胃未分化癌の1例

演者 國武 泰史(社会保険田川病院内科)
共同演者 加治 良平(社会保険田川病院内科), 川口 俊弘(社会保険田川病院内科), 森 敦(社会保険田川病院内科), 中根 智幸(社会保険田川病院内科), 宮原 健輔(社会保険田川病院内科), 前川 隆一郎(社会保険田川病院内科), 牛島 正貴(社会保険田川病院外科), 貝原 淳(社会保険田川病院外科), 田口 順(久留米大学 内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 病理学講座)
抄録  症例は、65歳、男性.特にかかりつけ医はなく、検診もされていなかった。1ヶ月前より継続する空腹時心窩部痛を主訴に当院受診され、初診時に施行した血液検査にてHb:5.2g/dlと貧血があり、腹部エコーにて前庭部の壁肥厚を認めたため、上部消化管内視鏡施行し胃角小弯~前庭部にかけて巨大な潰瘍性病変を認めた。全身CTにて胃周囲リンパ節腫大があり、また右肺S1に結節影を認めた。腫瘍マーカーはCEA:15.7と上昇しているのみであり、生検の病理組織学的検査では確定診断に至らず、小細胞癌や悪性リンパ腫、未分化癌が鑑別診断に挙げられた。右肺結節に関してはTBLB施行し、細胞診、病理組織学的検査よりadenocarcinomaが検出されており原発性肺癌と診断した。胃癌表面からの出血により貧血の進行を認めるため頻回に輸血している状態であり、貧血の改善目的に幽門側胃切除、D2郭清を施行した。摘出病理診断では癌細胞はばらばらに増殖し、明確な上皮性配列をなしていなかった。免疫組織染色では上皮性マーカーのEMA、CAM5.2、AE1/AE3が散在性に陽性を示し、間質系マーカーのVimentinは陰性。上皮性、あるいは非上皮性共にほとんど発現がなく、未分化癌と診断した。今回、我々は診断に苦慮した胃未分化癌を経験したため、若干の文献的考察を含め報告する.
索引用語 胃未分化癌, Undifferentiated carcinoma