セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専48:女性ホルモン剤中止にて縮小した肝細胞腺腫の1例 |
演者 | 東 哲生(熊本大学 消化器内科) |
共同演者 | |
抄録 | 熊本大学大学院 消化器内科学 東 哲生、福林 光太郎、立山 雅邦、吉丸 洋子、渡辺 丈久、溝部 典生、川崎 剛、泉 和寛、田中 基彦、佐々木 裕 症例は29歳の女性。血小板機能低下症に対して当院血液内科に通院中である。9歳時に初潮があり、止血困難のため女性ホルモン剤の治療が開始された。平成18年に両親が女性ホルモン剤の長期投与による副作用に対する不安が強く、当院婦人科にて子宮摘出術が検討されたが、倫理的な問題により断念された。平成22年9月、胎児性アルコール症による精神発達遅滞のため入院していた精神科病院で、肝腫瘍を指摘され前医を受診した。前医でのMRI、造影CTにて多発する多血性腫瘤を認め、女性ホルモン剤の内服と併せて肝細胞腺腫との診断のもとに経過観察されていた。平成23年3月のMRIでS5の腫瘍は平成22年9月と比較して長径34mmから38mmと増大し、肝細胞癌を完全に否定できないため、今後の方針決定のため平成23年4月に当科に紹介となった。入院精査が必要であったが、精神発達遅滞、多動性障害のため一般病棟への入院は困難であり、外来にて経過観察の方針となった。同年9月26日のGd-DTPA-EOB-MRIでS5の腫瘤が長径38mmから40.5mmと増大傾向にあった。多発肝細胞腺腫(肝細胞腺腫症)の所見として矛盾はなく、女性ホルモン剤の影響が考えられた。精神科、婦人科、血液内科と協議の結果、11月26日に女性ホルモン剤の内服を中止した。12月28日のMRIでは、S5の腫瘍は長径40.5mmから33mmと20%の縮小を認めた。平成24年4月9日および7月9日のMRIでも多発性肝腫瘍は縮小傾向であり、S5の腫瘍は長径25mmと昨年9月と比較して約40%縮小していた。現在も外来にて経過観察中である。背景肝が正常であること、AFP、PIVKA2も正常値であり、女性ホルモン剤の中止により縮小したことから、今回の多血性多発肝腫瘤は肝細胞腺腫と診断した。今回、女性ホルモン剤中止にて縮小した肝細胞腺腫の1例を経験したので、文献的考察を踏まえて報告する。 |
索引用語 | 女性ホルモン剤, 肝細胞腺腫 |