セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研12:

ペグインターフェロン、リバビリン併用療法でウイルス量が低下せず、天然型インターフェロン アルファに変更して著効したC型肝硬変の一例

演者 牟田 裕美子(九州厚生年金病院総合診療部)
共同演者 一木 康則(九州厚生年金病院内科), 上平 幸史(九州厚生年金病院内科), 鈴木 俊幸(九州厚生年金病院内科), 荒井 秀明(九州厚生年金病院総合診療部), 飯田 真大(九州厚生年金病院内科), 浦岡 尚平(九州厚生年金病院内科), 平野 元(九州厚生年金病院内科), 松尾 隆(九州厚生年金病院総合診療部), 瀧井 康(九州厚生年金病院内科), 酒井 賢一郎(九州厚生年金病院総合診療部), 藤澤 聖(九州厚生年金病院内科)
抄録 【現病歴】症例は50歳代女性。2005年に高血圧症のため近医を受診した際、肝機能異常、HCV抗体陽性を指摘され、その後もALT 100 IU/L以上で推移していた。インターフェロン療法を勧められていたが希望しなかった。他院で肝硬変を指摘され2011年7月に当科を紹介された。【検査結果】AST 138 IU/L、ALT 115 IU/L、Alb 3.8 g/dL、T-Bil 1.2 mg/dL、PT 72%、Plt 10.3万/μL、HA 186.9 ng/mL、γglb 29.2%、HCVセログループ1型、HCV RNA 3.5 LogIU/mL。腹部USと造影CTでは、硬変肝で肝細胞癌を認めず。【経過】肝硬変判別式で+0.7であり形態学的にも肝硬変と判断し、1型低ウイルス量のC型代償性肝硬変と診断した。同年8月、ペグインターフェロン アルファ-2a、リバビリン併用療法を開始した。特に問題となるような有害事象は認めなかったが、治療開始4週後、9週後のHCV RNAが全く低下せずAST、ALTの低下も見られなかったため効果が期待できないと判断し、同年10月に天然型インターフェロン アルファ(HLBI)の単独投与に変更した(600万単位を2週間連日、その後週3回投与)。変更して4週間後にHCV RNAは未検出となり、特に問題となるような有害事象もなく24週間の投与を行った。その6ヵ月後にウイルス学的著効が得られた。【考察】C型代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法において、天然型インターフェロン アルファ単独療法よりもペグインターフェロン、リバビリン併用療法の方が高い著効率が期待できるが、ペグインターフェロンが無効で天然型インターフェロン アルファが奏効する症例も報告されており、若干の文献的考察を行い報告する。
索引用語 インターフェロン, C型肝硬変