セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研89:

同時性5多発胃癌の1例

演者 寺園 和哉(鹿児島市立病院外科)
共同演者 濱田 信男(鹿児島市立病院外科), 中村 登(鹿児島市立病院外科), 槐島 健太郎(鹿児島市立病院外科), 吉川 弘太(鹿児島市立病院外科), 川井田 啓介(鹿児島市立病院外科), 西元 彩子(鹿児島市立病院外科)
抄録 同時性5多発胃癌の1例症例は82歳男性。糖尿病、高血圧、慢性心房細動の基礎疾患を有し、当院内科、循環器科にて加療中であった。進行する貧血が認められたため、上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃噴門部に1型、胃角部にIIa型、胃前庭部に1型(2ヶ所)、IIa型の病変を認め、生検の結果、同時性5多発胃癌と診断された。胃全摘術(Roux-en Y再建)ならびに2群リンパ節郭清を施行した。病理組織学的に最も進行度の高かったのは胃前庭部の1型病変のひとつで、低分化型腺癌(pT2、ly2、v3)、#7リンパ節に転移を認めた。他の病変は、中分化~高分化型腺癌で深達度sm以下の早期癌であった。また非癌部には、腸上皮化生と萎縮性胃炎の所見も認められた。多発胃癌の報告は近年増加傾向にあるが、多くは2病変であり3病変以上の報告は少ない。今回5病巣と多数で3領域にまたがる同時性多発胃癌を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃癌, 多発胃癌