セッション情報 一般演題

タイトル 109:

肝化学動注塞栓術併用経皮的ラジオ波焼灼術の有用性について

演者 豊倉 恵理子(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 玉井 努(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 堀 剛(鹿児島逓信病院), 吉永 遥(鹿児島逓信病院), 大野 香織(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 熊谷 公太郎(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 桜井 一宏(鹿児島逓信病院), 宇都 浩文(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】肝細胞癌(HCC)に対する経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)は,局所制御能の高い治療法としてすでに標準化されている.今回我々は,RFAの工夫と肝化学動注塞栓術(TACE)併用RFAの有用性について検討した.【対象】症例は94例,136結節で,年齢中央値:70(45-91)歳,男性/女性=57/37,HBV/HCV/NBNC=7/75/12,Child-Pugh:A/B-C=78/16であった.HCCは,高分化/中分化=45/91,腫瘍径:15.0(6.0-44.0)mm,単発/多発:69/67,初発/再発:58/78であった.RFAは,RVS使用:有/無=37:99,造影超音波(CEUS):有/無=33/103,人工腹水:有/無=51/85,TACE併用:有/無=75/61であった.【成績】全例の累積生存率は,1年 98.9%,3年 81.3%,5年 64.2%で,局所再発率は,1年 19.1%,3年 40.3%,5年 53.4%であった.中分化型HCCのみの検討では,腫瘍径20mm未満で,局所再発率が有意に低かった(P<0.01).RFA困難例(横隔膜下,脈管近傍,肝門部等)では,RVS,CEUS,人工腹水併用例が多く,非困難例に比し,局所再発率に差を認めなかった(P=0.81).TACE併用群では,局所再発率が低い傾向であり(P=0.17),異所再発率は有意に抑制し(P=0.017),累積生存率は有意に良好であった(P=0.03) .TACE併用群と非併用群における治療効果判定では,A: マージン(M)5mm以上,B:M1-5mm,C:M0mmと定義した場合,TACE併用群A/B/C=34/23/7,TACE非併用群A/B/C=21/6/0であったが(P=0.05),両群の局所再発率に有意差なく,TACE併用の効果と考えられた.【結語】RFA困難例においても,工夫することにより局所制御能を確保できた.また,RFA前にTACEを併用することにより,局所再発,異所再発を抑制し,累積生存率を改善させる可能性が示唆された.
索引用語 TACE併用RFA, 局所再発率