セッション情報 一般演題

タイトル 024:

腹膜播種で診断された異所性肝細胞癌の1例

演者 三宅 徹(福岡大学医学部消化器外科)
共同演者 星野 誠一郎(福岡大学医学部消化器外科), 吉田 陽一郎(福岡大学医学部消化器外科), 愛洲 尚哉(福岡大学医学部消化器外科), 谷村 修(福岡大学医学部消化器外科), 久野 敏(福岡大学医学部病理学教室), 久能 宣昭(福岡大学医学部消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学医学部消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学医学部消化器内科), 山下 裕一(福岡大学医学部消化器外科)
抄録 【はじめに】肝外発育性の肝細胞癌は比較的稀な疾患であり、その中でも主肝とは明らかな連絡を持たない異所性肝組織から発生する肝細胞癌はさらに稀である。今回われわれは、腹膜播種で診断された異所性肝細胞癌の1例を経験したので報告する。【症例】42歳、男性。健診で肝機能障害指摘され近医を受診した。血液検査ではAST (117 U/I), ALT (254 U/I)の上昇を認め、HCV抗体とHBs抗原は陰性であった。腫瘍マーカーは AFP (241 ng/ml),PIVKA-II (69349 mAU/ml)と上昇を認めた。腹部超音波検査では肝臓に異常所見を認めなかったが、肝表面、脾臓周囲に腹水を認めたため腹部造影CT施行。腹腔内全体に大小様々な結節を認め、 腹膜播種を疑い、全身精査するも原発巣不明であり、精査目的で当科入院となった。審査腹腔鏡行うと、血性腹水を伴い、直径1cm大の茶褐色易出血性の結節が腹腔内全体に散在し、特に大網、横隔膜、骨盤腔に多数認めた。確定診断のために結節の一部を切除し、病理診断は中分化型肝細胞癌であった。術後にPET-CT検査施行したが、肝臓にはFDGの集積を認めず、腹腔内にSUVmax:1.5の多発する腫瘍を認めた。現在、化学療法継続中である。【結語】腹膜播種を契機に診断された異所性肝細胞癌はきわめて稀であり、これまでに2例しか報告されていない。今回われわれは、腹膜播種で診断された異所性肝細胞癌の1例を経験したので報告した。
索引用語 異所性肝細胞癌, 腹膜播種