セッション情報 一般演題

タイトル 079:

術前診断し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した小児胆嚢捻転症の1例

演者 高屋 剛(都城市郡医師会病院外科)
共同演者 内山 周一郎(都城市郡医師会病院外科), 山下 兼一(山下医院), 末田 秀人(都城市郡医師会病院外科), 佐野 浩一郎(都城市郡医師会病院外科), 金丸 幹郎(都城市郡医師会病院外科), 千々岩 一男(宮崎大学腫瘍機能制御外科学)
抄録 胆嚢捻転症は先天性要因として浮遊胆嚢と呼ばれる異常な可動性を有する胆嚢が存在し,これに捻じれをきたす種々の後天性要因が加わり捻転をきたすものである.胆嚢捻転症は,小児においては稀れな疾患で、捻転による壊死性変化が急速に進む場合には緊急な治療を要する。今回我々は急速に増悪する腹痛を伴った小児の胆嚢捻転症に対して腹腔鏡手術を行った1症例を経験したので報告する。症例は15歳男性で2012年8月中旬の夕方より急に腹痛が出現。その後急激に症状が増悪したため同日深夜に近医より当院救急センターを紹介された。WBC21600まで上昇していたが、CRPは陰性であった。腹部CTで胆嚢粘膜は単純CTで高吸収で造影不良であった。胆嚢壁の浮腫性変化を認め、胆嚢底部は内側に偏位しており胆嚢捻転による胆嚢の血流障害による壊死性変化が考えられた。以上より胆嚢捻転症による胆嚢壊死の診断で緊急手術施行。手術は手袋法による単孔式手術で手術を開始した。腹腔鏡で観察したところ胆嚢はすでに壊死性変化を来していた。胆嚢は肝下面とわずかに付着するだけでほとんど遊離した状態であった。胆嚢の把持が困難であったため、心窩部に5mmポートを1本挿入して胆嚢摘出を行った。Gross II型で360度捻転していた。術後経過良好で術後4日目に退院した。 小児において腹腔鏡手術を施行した胆嚢捻転症の症例の報告は少なく文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆嚢捻転症, 小児