セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 090:軽度の肝機能異常を背景に発症したと考えられる混合型肝癌の1例 |
演者 | 池邊 賢一(熊本大学医学部附属病院 消化器内科) |
共同演者 | |
抄録 | 熊本大学大学院 消化器内科学 池邊 賢一、川崎 剛、吉丸 洋子、平島 美幸、泉 和寛、溝部 典生 渡邊 丈久、福林 光太郎、立山 雅邦、桜井 宏一、田中 基彦、佐々木 裕 症例:79歳、女性。現病歴:2001年より胃食道逆流症・脂肪肝にて当科に定期通院中であり、経過中はALT 30~40U/l、血小板は20万前後で推移していた。2012年5月下旬から右側腹部痛と発熱、咳嗽を認め、腹部CT検査にて肝腫瘍を指摘、精査治療目的に7月上旬入院となった。身長 140.5cm、体重47.3kg、BMI 24、体温 37.1℃、右上腹部に圧痛あり。血液検査所見: T-Bil 0.9mg/dl、AST 31U/l、ALT 9U/l、LDH 358U/l、ALP 443U/l、γ-GTP 181U/lと胆道系酵素の上昇を認めたが、PLT 24.5万/μLと血小板低下は認めなかった。HBs抗原、HCV抗体は陰性。ANA、AMA、M2は陰性。腫瘍マーカーは、AFP 10936ng/ml、AFP-L3 82.3%、PIVKA-2 244mAU/ml、CEA 13.9ng/ml、CA19-9 242.4U/mlであった。腹部超音波検査では慢性肝障害が疑われた。胸腹部CT検査にて、右葉後区域を中心に単純にて内部不均一な低吸収域を呈する13cm大の腫瘍を認めた。腫瘍の大部分は造影早期相で辺縁が不整に造影され、後期相にて内部の遅延性濃染を認めたが、一部は早期相で濃染し、後期相でwashoutされた。また、肝門部、傍大動脈、胃小彎にリンパ節の腫大と、両肺野に小結節影を多数認めた。上下部消化管内視鏡検査では、異常は認めなかった。以上より混合型肝癌を疑い、肝腫瘍生検にて肝細胞癌、混合型肝癌の双方を認めた。年齢を考慮し TS-1 100mg/日にて治療を開始したが、1週程で倦怠感著明となり中止となった。現在緩和医療へ移行している。考察:第18回全国原発性肝癌追跡調査報告によると、混合型肝癌は、原発性肝癌の0.8%と、比較的稀な疾患であり、その多く(71.9%)が、慢性肝炎を有しており、そのうちHBS抗原陽性率は18.9%、HCV抗体陽性率は46.7%である。今回軽度の肝機能異常を背景に発症したと考えられる混合型肝癌を経験したので、貴重な症例と考え文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 混合型肝癌, 肝機能異常 |