セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研61:術前に診断し外科的治療を行った盲腸軸捻転症の一例 |
演者 | 勝田 真琴(大分県厚生連鶴見病院消化器内科) |
共同演者 | 永井 敬之(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 平江 麻衣(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 和氣 良仁(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 梶本 展明(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 首藤 充孝(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 安部 高志(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 中嶋 宏(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 大河原 均(大分県厚生連鶴見病院消化器内科), 岡本 啓太郎(大分県厚生連鶴見病院消化器外科), 藍澤 哲也(大分県厚生連鶴見病院消化器外科), 野口 琢矢(大分県厚生連鶴見病院消化器外科), 久保 宣博(大分県厚生連鶴見病院消化器外科) |
抄録 | 【緒言】盲腸軸捻転症は比較的まれな結腸軸捻転症である.今回我々は,術前に診断し外科的治療を行った盲腸軸捻転症の一例を経験したので報告する.【症例】39歳女性.Rett症候群,精神運動発達遅滞にて施設に入所中.平成23年10月29日より腹部膨満を認め,嘔吐も出現.10月31日腹部単純X線にて著明な腸管ガス像を認めた.症状軽快ないため,11月2日当科紹介受診となった.WBC 9460/μl,CRP 4.66 mg/dl.腹部造影CT検査では,著明に拡張した盲腸と,これに連続するように渦巻き状の構造物を認めた(Whirl sign).また,盲腸はかなり頭側に位置していたが,明らかな絞扼の所見は認めなかった.下部消化管内視鏡検査を施行したところ,著明に拡張した上行結腸と渦巻き状の狭窄を認めた.以上から,盲腸固定不全に由来する盲腸軸捻転症と診断し,緊急開腹術を行った.移動盲腸で,拡張した盲腸が反時計回りに180度捻転していた.循環障害が高度であったことと,再発予防目的で,回盲部切除を行った.以後再発なく,経過は良好である.【考察】盲腸軸捻転症は結腸軸捻転症の5.9%,全消化管イレウスの1%以下と比較的まれな疾患である.40歳までは先天異常や精神発達遅滞などの基礎疾患を有する症例が多い.発症原因は後腹膜への盲腸固定不全などの1次要因に,盲腸内容の停滞や充満などの2次要因が加わるためと考えられる.術前正診率は20~53%と低い.内視鏡による整復術の成功率は低く(12.5%),再発率は高い(50%以上)ことから,外科的手術治療を第一選択にすべきとの見解が多い.若干の文献を踏まえ報告する. |
索引用語 | 盲腸軸捻転症, 盲腸固定不全 |