セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研14:テラプレビルによる3剤併用療法中に心タンポナーデを来したC型慢性肝炎の1例 |
演者 | 辻 千賀(佐賀大学 内科学) |
共同演者 | 岩根 紳治(佐賀大学 内科学), 蒲池 紗央里(佐賀大学 内科学), 小平 俊一(佐賀大学 内科学), 中下 俊哉(佐賀大学 内科学), 長友 大輔(佐賀大学 循環器内科), 井手 康史(佐賀大学 内科学), 河口 康典(佐賀大学 内科学), 江口 有一郎(佐賀大学 内科学), 尾崎 岩太(佐賀大学 内科学), 水田 敏彦(佐賀大学 内科学) |
抄録 | 【はじめに】テラプレビル(TVR)を併用した3剤療法は難治性C型慢性肝炎の標準治療となっているが、様々な副作用に留意する必要である。今回治療中に心タンポナーデを来した症例を経験したので報告する。【症例】57歳男性。2012年2月28日C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療目的に当院紹介受診。高血圧あり。糖尿病なし。飲酒歴:3~5合/日。169.3 cm、86.2 kg、BMI 30.0。身体所見に特記事項なし。肝組織所見:A2F3。検査所見:HCVRNA 6.6 LogIU/mL、 genotype 1b、IL28B TT (major homo)、WBC 7100/µL、Hb 15.7g/dL、PLT 14.6万/µL、AST 150 IU/L、ALT 194 IU/L。4月27日よりTVR 2250 mg、レベトール®(RBV)1000 mg、ペグイントロン® 120 µgで治療開始。35日目に全身に紅色丘疹、結節が出現し、掻痒感も強く掻破を認めたため、皮膚科にてザイザル®10 mg/日、アンテベート・ロコイドクリーム®の外用を処方。皮膚症状に改善はなく、42日目にセレスタミン®の内服開始。49日目に顔面の腫脹、体幹、四肢に浮腫性紅斑が出現したためTVR、RBVを中止し、prednisolone 40 mg内服開始。皮疹は改善傾向であったが、69日目より全身倦怠感が著明となり低血圧と頻脈を認め、胸部X-pにて著明な心拡大および心電図で低電位の所見あり。心エコーで著明な心嚢液の貯留を認め心タンポナーデと診断された。【考察】本症例はTVRによる皮膚症状の掻破が感染の契機となり、細菌性心外膜炎を起こし、心タンポナーデに至ったと考えられた。TVRの皮膚症状に対してはステロイド投与が行われることがあるが、痂皮形成を伴う皮疹や掻痒疹の掻把がある場合には、感染症の門戸となる可能性があることに留意する必要がある。IFNにも心外膜炎発症の症例報告があり、内皮細胞の劣化と昇圧に関連した炎症性サイトカインの刺激によるものと考察されており、本例においてもIFNの関与も否定できない。 |
索引用語 | テラプレビル, 心タンポナーデ |