セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研08:

無症候性梅毒を合併したGenotype A、B型急性肝炎の1例

演者 遠藤 友志郎(健康保険諫早総合病院消化器科)
共同演者 大場 一生(健康保険諫早総合病院消化器科), 城谷 麻衣子(健康保険諫早総合病院消化器科), 田渕 真惟子(健康保険諫早総合病院消化器科), 原口 雅史(健康保険諫早総合病院消化器科), 植原 亮平(健康保険諫早総合病院消化器科)
抄録 B型急性肝炎は近年性交渉に伴う水平感染による発症が大部分を占めており、都市部を中心にGenotype A感染例の増加が著しいが、地方都市でも同様の傾向がみられている。一方、梅毒は抗生剤の普及により患者数は激減したものの、近年HIV感染者では増加が著しく、再び注目されている。今回我々は無症候性梅梅毒を合併したGenotype A、B型急性肝炎の1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。症例は30歳男性で2012年4月肝機能障害精査目的にて当科紹介。初診時、血液検査では、T.Bil 12.5mg/dl、AST 1479IU/L、ALT 2043IU/L、HBsおよびHBe抗原陽性、IgM HBc抗体陽性、HBc抗体低力価陽性、HBV DNA 6logcopy/ml、Genotype A、肝生検組織では高度肝実質炎を優位とした急性肝炎像を呈していた。以上よりGenotype A、B型急性肝炎と診断した。詳細な問診により男性同性愛者で不特定な性交渉を繰り返していることが判明し、同ルートによる感染が疑われた。なお、HIV抗体は陰性であった。入院後、安静にてトランスアミナーゼは順調に低下し、現在引き続き経過観察中である。入院時、梅毒血清反応陽性であったが、初期硬結や鼠径リンンパ節腫脹などは認めない無症候性梅毒と診断した。肝機能の改善を待って、現在駆梅療法施行中である。梅毒を合併したB型急性肝炎の報告は少ないが、感染経路を考慮すると性行為感染症としてのGenotype A、B型急性肝炎への梅毒合併が今後増加する可能性が危惧された。
索引用語 B型急性肝炎, Genotype A