セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専81:

S状結腸癌、胆嚢癌、胃MALTリンパ腫を合併した1例

演者 本成 永(浦添総合病院 消化器病センター 外科)
共同演者 松村 敏信(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 谷口 春樹(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 金城 章吾(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 長友 俊郎(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 亀山 眞一郎(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 伊志嶺 朝成(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 長嶺 義哲(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 古波倉 史子(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 伊佐 勉(浦添総合病院 消化器病センター 外科), 内間 庸文(浦添総合病院 消化器病センター 内科)
抄録 症例は59歳女性。2ヵ月前からの便秘と血便を主訴に近医受診し、大腸内視鏡検査でS状結腸の腫瘍性病変を指摘され当科紹介受診となった。S状結腸に半周性で易出血性の2型腫瘍を認め、生検では高分化腺癌であった。術前の腹部超音波検査で、胆嚢体部に11mm×10mmの有茎性ポリープを認めた。また上部消化管内視鏡検査では、胃角部前脚に15mm大のIIa+IIc型の病変を認め、生検でMALTリンパ腫(H.Pylori陰性)の診断を得た。
S状結腸癌と胆嚢ポリープに対して、S状結腸切除術、D3郭清、胆嚢摘出術を施行した。病理組織診断では、S状結腸の高分化型管状腺癌,SS,ly1,v2,N0,M0,StageII(high risk群)、胆嚢は高分化型管状腺癌で粘膜内(m)までの進展であった。S状結腸癌は、StageIIのHigh risk群であったことより、術後補助化学療法としてUFT+LVを施行し、胆嚢癌、胃MALTリンパ腫は経過観察を行う方針とした。経過観察中にMALTリンパ腫の増悪を認めたため、術後1年5カ月後に放射線療法を行った。現在術後1年8ヵ月経過し、再発や転移は認めていない。
近年、社会の高齢化や画像診断技術の進歩と普及により重複癌の割合は増加しているとされる。早期で発見される例も多く、重複癌においても各々の進行度に応じた治療を行うことにより予後の改善が期待される。今回我々は、S状結腸癌、胆嚢癌、胃MALTリンパ腫を合併した重複腫瘍の1例を経験したので報告する。
索引用語 重複癌, 結腸癌