セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研50:

急性膵炎、胆管炎の発症を契機に診断された成人輪状膵の一例

演者 丸木 千陽美(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科)
共同演者 星野 訓一(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 近藤 章之(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 屋嘉比 聖一(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 松川 しのぶ(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 薮谷 亨(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 末吉 宰(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 仲村 将泉(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 小橋川 嘉泉(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科), 内間 庸文(社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 消化器病センター内科)
抄録 輪状膵は、膵が十二指腸下行部を完全または不完全に取り囲む稀な先天性奇形疾患である。今回我々は膵炎、胆管炎による心窩部痛を契機に発見された輪状膵の一例を経験したので報告する。症例は61歳、女性。2012年6月繰り返す上腹部痛を主訴に近医受診、胆石胆嚢炎の診断で保存的加療された。症状消失し食事再開したが腹痛増悪し、黄疸、肝胆道系酵素上昇も認め精査加療目的に同年7月当科紹介入院となった。身体所見では心窩部に圧痛を認めた。検査所見では胆道系酵素及び膵酵素上昇を認め、腫瘍マーカーは陰性であった。腹部US、造影CT、MRCPでは明らかな胆嚢結石、総胆管結石を認めず、十二指腸下行部を膵が取り囲む所見を認めた。ラジアルEUSはVater乳頭付近の下行部に全周性狭窄の内視鏡所見と、同部位で膵が十二指腸を取り囲むエコー所見を認めた。十二指腸造影検査でも下行部全周性狭窄を認めた。画像検査で明らかな腫瘍を認めず、輪状膵に伴う急性膵炎、胆管炎と診断した。入院後は絶食、蛋白分解酵素阻害薬、抗菌薬にて保存的加療し、経過は良好で食事再開後も症状の増悪はなく退院となった。膵炎、胆管炎の発症を契機に診断された成人輪状膵は比較的稀であり若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 輪状膵, 膵炎