セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
022:亜急性の経過で肝不全が進行し,死後にアミロイドーシスと診断した一剖検例
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演者 |
金山 泰成(福岡徳洲会病院 総合内科) |
共同演者 |
滝澤 直歩(福岡徳洲会病院 総合内科), 児玉 亘弘(福岡徳洲会病院 総合内科), 松本 修一(福岡徳洲会病院 肝臓内科), 松林 直(福岡徳洲会病院 心療内科) |
抄録 |
症例は72歳女性.糖尿病に対して近医でインスリン治療中.これまで肝障害を指摘されたことはなかった.入院2か月前より腹部膨満感と嘔気を認め,近医にて施行された採血において肝障害を指摘されたため当院を紹介受診となった.肝炎ウイルスマーカー,自己抗体などは陰性.腹部超音波検査で肝は軽度脂肪肝で腫大を認めた.数十年にわたり様々な健康食品を摂取していたというエピソードがあり,薬物性肝障害を疑い健康食品の摂取を中止させ経過観察するも腹水の出現や症状の増悪を認めたため精査加療目的に当院へ入院となった.利尿薬による腹水コントロールなどにより全身状態は安定していたが,腹水や肝酵素の改善は認めなかった.悪性腫瘍や婦人科領域の病変の関与も考え検索したが明らかな異常所見は認めなかった.入院1ヶ月後より腎機能障害を認め,腹水貯留や低アルブミン血症による肝腎症候群と判断した.輸液負荷やアルブミン投与とともにステロイドも投与した.しかし治療効果は得られず全身状態は徐々に悪化し,入院35日目に突然血圧が低下し死亡した.病理解剖にて直接死因は心筋梗塞と診断.また肝臓は腫大,色調はやや黒色調の褐色,表面軽度不整であった.病理組織にてアミロイドの著明な沈着を認め,肝不全の原因はアミロイドーシスと考えられた.肝不全の症状が主たる症状であるアミロイドーシスは稀と考えられ,文献的な考察を加えて報告する. |
索引用語 |
アミロイドーシス, 肝不全 |